よく、柔らかくてすべすべした肌のことを「赤ちゃんのような肌」と表現しますが、実際の赤ちゃんの肌はとてもデリケートです。
ほんの些細な刺激でも過剰に反応して、湿疹や肌荒れが起きる事が度々あります。
湿疹や痒み、肌荒れがひどいと「アトピーかもしれない・・・」と心配になりますよね。
皮膚トラブルがある時には、なるべく刺激が少なくて肌に優しい石鹸を選びたいものです。
そこで今回は、皮膚トラブルのある赤ちゃんでも安心して使用できるおすすめの石鹸について紹介していきます。
普通の石鹸と無添加石鹸の違い
まずは、そもそも石鹸とは何かについて紹介します。
私達が石鹸と呼んでいるものには、下記の2種類があります。
石鹸とは
ナトリウム石鹸(ソーダ石鹸)
油脂に水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を加えて化学的に反応させ、脂肪酸ナトリウムを作り出して石鹸となります。
カリウム石鹸(カリ石鹸)
油脂に水酸化カリウム(苛性カリ)を加えて鹸化させる事で脂肪酸カリウムが作られ、石鹸が出来上がります。
固形石鹸より脂肪酸イオンが多く含まれるため、保湿力に優れています。
この脂肪酸ナトリウムと脂肪酸カリウムの事を「石鹸素地」と呼びます。
細かく分類すると、脂肪酸ナトリウムは石鹸素地、脂肪酸カリウムはカリ石鹸素地と呼びます。
そして両者を併用している場合には、カリ含有石鹸素地と表示されます。
石鹸素地は固形や粉状の石鹸となり、カリ石鹸素地は液体またはジェル状の石鹸となります。
油脂についても、植物性油脂が原料となっている石鹸は水に溶けやすく、柔らかく肌への刺激も少ない石鹸になります。
動物性油脂が原料となっている石鹸は硬く、泡立ちの良い石鹸になります。
石鹸の製法
石鹸は製法によっても2種類に分類され、「鹸化」によるものと「中和」によって作られるものがあります。
鹸化(けんか)法
手間暇のかかる製法で、元々油脂に含まれているグリセリンが抜けきらずに残ります。
グリセリンは保湿剤としても用いられるもので、洗った後の皮膚がつっぱるような感じが少ない、しっとりとした肌触りになります。
中和法
脂肪酸に苛性ソーダまたは苛性カリを反応させて石鹸と水が出来ます。
生産は比較的容易ですが、油脂ではなく脂肪酸を用いるため保湿効果のあるグリセリンが含まれず、後から添加物として保湿成分を加えていきます。
無添加石鹸とは
界面活性剤や防腐剤、着色料、香料などの肌への刺激が強い成分を添加物として加えていない石鹸を指します。
「無添加」の明確な基準はなくメーカーに委ねられているため、メーカーによっては無添加と表示されていても添加物が含まれている場合もあります。
成分表記に関しては、以前はアレルギーや皮膚トラブルが発症するリスクが高いとされる成分を表示する事が義務化されていましたが、現在では全成分を表示する事となっています。
各メーカーによる無添加の表記は、以前は表示義務のあった旧指定成分のみを指している場合があります。
つまり、本当の意味での無添加は石鹸素地100%の石鹸と言えます。
純石鹸とは
脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムが98%以上含まれているものを指します。
無添加石鹸はアトピーや湿疹にいい理由
皮膚トラブルがない人にはあまり実感が湧かないかもしれませんが、アトピーや湿疹などの皮膚トラブルを抱えた人にとって、石鹸は洗浄力が強すぎるものです。
石鹸は皮膚の汚れを落としてくれますが、皮脂も一緒に落とします。
肌の機能を正常に保つために必要な皮脂や水分も一緒に落とすので、肌を刺激から守るバリア機能が弱くなっている人にとっては、石鹸選びは悩みの種なのです。
通常の石鹸には界面活性剤や香料などの添加物が含まれている場合が多いですが、添加物が加わることでアレルギーを引き起こす原因となったり、皮膚に刺激を与えたりする事もあります。
皮膚にトラブルを抱える人にとっては、添加物などの成分が多ければ多いほど、皮膚が刺激を受けるリスクが高まります。
そのため、アトピーや湿疹がある人は刺激となる成分が含まれていない無添加の石鹸を選ぶ方が良いのです。
我が家でも赤ちゃんには、ドラッグストアなどで購入出来る赤ちゃん用のベビー石鹸を使用しています。
「低刺激」「無添加」とパッケージに書かれていますが、成分をよく見るとさまざまな添加物が配合されていました。
私は敏感肌ですが、自分の子供は特に肌トラブルもなく過ごしており、一般的なベビー石鹸を使用し続けていますが、赤ちゃんによっては「赤ちゃん用」と記載されていても肌に合わない場合もあります。
おすすめの無添加石鹸は成分が石ケン素地のみのもの
無添加石鹸と言ってもメーカーによって基準が異なるため、石鹸を選ぶ時には成分が石鹸素地のみのもの又は石鹸素地と水と表記されているものを選ぶと良いでしょう。
特に化学添加物が入っていない、天然成分100%の石鹸がおすすめです。
アレッポの石鹸エキストラ40
アデルファンサ社が製造しているオリーブオイルとローレルオイルのみを原料として作られた完全無添加のオリーブ石鹸です。
オリーブオイル60%、ローレルオイル40%で製造されており、肌への刺激も少なく必要な皮脂を落としすぎないため、肌にうるおいが残ります。
この石鹸で全身を洗う事ができ、赤ちゃんから乾燥肌、敏感肌、アトピーの人まで安心して使用出来ます。
坊ちゃん石鹸
天然の牛脂とヤシ油で作られた石鹸素地のみの無添加石鹸です。
蕁麻疹や乾燥肌、アトピーの症状が緩和されたとの声も寄せられています。
肌への刺激が少なく洗い上がりもつっぱらないため、赤ちゃんや敏感肌の人でも使用出来ます。
うるおいベビー肌石鹸
保湿力の高いアボカドオイルを約50%配合して作られている無添加石鹸です。
化学添加物は使用しておらず、肌の質を問わず全身に使用出来ます。
赤ちゃんはもちろん、敏感肌、アトピー肌の人でも、洗浄後はすべすべの洗い上がりになります。
ネオナチュラル 池田さんの馬油石鹸
国産馬油100%の自然素材で作られており、石鹸職人が石鹸の出来を食べて確認しながら作られています。
食べられるほどに肌に優しく、洗っても肌のバリア機能を損ないません。
VCOマイルドソープ
合成界面活性剤や香料など無添加で、母乳と同じ天然成分で作られています。
泡がきめ細かく濃厚で、ヴァージンココナッツオイルとヒアルロン酸で保湿にもこだわっています。
低刺激で皮膚に必要な油分はしっかりと残してくれます。
牛乳石鹸のカウブランド無添加せっけん
カウブランドの無添加石鹸は、石鹸素地のみで作られている完全無添加の石鹸です。
肌への刺激も少なく、独自の安全性基準を設けて皮膚アレルギーテストも実施されています。
肌がデリケートな赤ちゃんからアトピーの人、高齢者まで幅広い世代の人が使用できる石鹸です。
低価格で継続しやすい価格設定となっています。
ミヨシ石鹸の無添加ベビーせっけん
無添加ベビーせっけんは、石鹸素地のみで作られた完全無添加の石鹸です。
皮膚アレルギーテスト済みで肌に優しく、赤ちゃんの沐浴にも使用する事が出来ます。
植物油脂を主原料としていて刺激が少なく、保湿剤を使用しなくても肌がつっぱらずに潤いを保ちます。
シャボン玉のベビーソープ
水とカリ石鹸素地のみで作られた無添加の石鹸で、固形タイプと泡タイプがあります。
保湿性の高いアボカドオイルと天然の植物性油脂を原料としており、化学添加物は含まれていません。
低刺激で赤ちゃんやデリケート肌にも、大人の洗顔にも使用出来ます。
石鹸を使わなくても汚れの80%は落ちる
昨今では清潔にしていることが当たり前になり、必要以上にさまざまな石鹸や洗顔料などを使用する人が増えました。
石鹸でゴシゴシと洗えば、石鹸の洗浄力で確かに汚れは落ちるのですが、身体にとって必要な油分も落としてしまうため、肌の乾燥や肌荒れの原因となる場合があります。
一時期、メディアを通じて芸能人のタモリさんが「身体は何もつけずに洗った方が良い」とコメントした事から「タモリ式入浴法」に注目が集まりました。
実践法としてはとてもシンプルで、湯船に10分以上浸かり、身体を軽くこするだけで良いのです。
石鹸は陰部以外には使用せず、頭髪はシャンプーで洗います。
お湯だけで身体の汚れや臭いは落ちるのか、という疑問を持ちますが、石鹸を使用しなくても人間の身体の汚れの約80%はお湯に浸かるだけで落ちるそうです。
石鹸を使用するか、しないかは医師によっても判断が分かれるところですが、敏感肌やアトピーの人は石鹸を使用しないよう指導している医師もいます。
石鹸を使用、不使用は個人の好みによるところですが、使用する場合にもゴシゴシと強く洗ったり、必要以上に何度も洗ったりして身体の油分を落としすぎないことが大切です。
肌に合う石鹸を使ってきれいな肌で過ごそう
これまでさまざまな石鹸を紹介してきましたが、肌の質は人によって千差万別です。
特に親がアレルギー体質だったり、皮膚が弱かったりすると、赤ちゃんも肌が弱い可能性があります。
大切な事は赤ちゃんの肌質をよく確かめて、皮膚に炎症反応などが起きない、赤ちゃんの肌に合う石鹸を選ぶことです。
赤ちゃんの肌に赤みや湿疹が出来て痒そうにしている姿は、ママが見てもとても辛いものですよね。
我が子の肌に合う石鹸を使用して、赤ちゃんが肌トラブルなく気持ちよく過ごせるようにしましょう。
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