赤ちゃんを寝かせようと思っても、抱っこしていると眠るのに布団に下ろした瞬間に目が開いて起きた・・・多くのママがそんな体験をしています。
背中を布団につけた瞬間に起きる赤ちゃんの「背中スイッチ」の感度に困り果て、寝かしつけを試練のように感じる事さえあります。
ずっと抱っこでユラユラしていると腕や腰が痛くなり、疲れるため、「添い寝で寝かせたい」と思う人は多いと思います。
そこで今回は、赤ちゃんの寝かしつけの方法を変えるやり方と実践した体験談を紹介します。
抱っこでしか寝ない・布団に置くと起きる生後7ヶ月の赤ちゃんが添い寝に変わった時の流れ
生まれたては可愛くて軽いと感じる赤ちゃんも段々と成長とともに体重も増えていきます。半年もすると重くて腰が限界と感じてくるのではないでしょうか?
私も7ヶ月目にして、限界を感じました。後半にも書いていますが、我が子も背中スイッチが過敏反応していて何度も寝たと思って置いたら起きて、また抱っこを繰り返す日々でした。
女の子だったので体重は7キロぐらいでしたが、もっと体重がある子の場合はさらに早い段階で腕や腰が辛くてなんとかしなければと思うのではないでしょうか?
いつもより赤ちゃんの機嫌が良いと感じたある日、思い切って添い寝で寝かしつけてみようと決心しました。
抱っこしないで寝かそうとするとギャン泣きするだろうと思っていたので、夜にいきなり実践すると気所迷惑になるとか、虐待しているのではないかと疑われるとか、いろいろ考えてお昼寝から実践することにしました。
まずは、入念に準備です。自分の布団の隣に赤ちゃん専用の布団を用意しました。
また、布団の周りは何も置かないようにして、部屋はカーテンを閉めるなどして少し薄暗くしました。
眠そうになると目をこすったり、目の周りが赤くなったり、泣き出したりするので大抵はわかります。眠くなったら最初は寝に入る寸前まで抱っこしました。
もう寝そうというところで布団に置いて、すんなり寝てくれればラッキーくらいに思っていましたが今までで最高レベルのギャン泣きを20分くらい続けました。
最後は泣き疲れたのかやっと寝ました。
その後、何度か同じ準備をして試し、片手で赤ちゃんの手を握って、もう片手でおなかのあたりをポンポンと叩くと寝かしつけができるようになりました。
そして、お昼寝で何度か添い寝して、寝るまでの時間も早くなったので夜も実践してみました。
夜でもうまく添い寝で寝てくれたので、今では寝かしつけが数段楽になりました。
なぜ赤ちゃんは抱っこでしか寝ない?
赤ちゃんは抱っこが大好きですが、布団では眠らないのに何故抱っこだと眠るのか不思議に思った事はないでしょうか?
赤ちゃんが抱っこで眠る理由は、いくつか考えられます。
輸送反応によるもの
身近な場所やテレビなどで、猫やライオンなどの動物が赤ちゃんの首のあたりをくわえて運んでいる場面を見た事がないでしょうか。
動物の赤ちゃんは運ばれている間はじっと動かず、大人しくしています。
哺乳類の赤ちゃんには「輸送反応」という本能が備わっています。
親に運ばれている間は大人しくしている事で危険を回避するというものですが、人間の赤ちゃんにもこの本能は備わっています。
パパやママが赤ちゃんを抱っこしながら歩くと、泣いている赤ちゃんも泣き止み、いつの間にか眠ってしまう事がありますよね。
理化学研究所の研究によれば、ママが赤ちゃんを抱っこして歩く事で赤ちゃんの泣く量が劇的に減り、赤ちゃんの心拍数もママが歩き出して3秒で下がると言われています。
心拍数が下がると人間はリラックスした状態になり、眠気を感じるようになります。
抱っこで赤ちゃんを寝かしつけて布団に置くと起きるのは、輸送反応が終わったことを意味する自然な反応なのです。
人肌の温もりによる安心感
抱っこをして密着していると、赤ちゃんはパパやママの温もりを近くで感じる事ができ、安心感を得られます。
胸のあたりで抱っこする場合が多いため、赤ちゃんがパパやママの心音を聞く事もできてリラックスします。
また、ユラユラとした振動も単調で眠気を感じやすいため、抱っこで眠る赤ちゃんが多いのです。
これは、抱っこ紐を使用していても同様の事が言えます。
ママのにおい
赤ちゃんは目がよく見えない頃でも、においでママを感じ取ります。
ママに自覚がなくても、ママからはおっぱいのにおいがするため、赤ちゃんはママが傍にいる事が分かります。
大好きなママのにおいが近くにあることで、リラックスして眠るのです。
でも中には、ママからおっぱいのにおいがする事で興奮して寝付けなかったり、泣いたりする赤ちゃんもいます。
そんな時には、おっぱいのにおいがしないパパに代わってもらうと、おっぱいを貰えない事が分かって眠た、という体験談も寄せられています。
赤ちゃんによって個人差はあるものの、抱っこでの寝かしつけは大体10ヶ月から1歳頃までと言われています。
なぜ赤ちゃんは布団に置くと起きる?
抱っこで熟睡したと思っていても、布団に置くと途端に目覚める赤ちゃんは多いです。
布団に置くと目覚める理由とその対策として、下記のような事が考えられます。
寝具との温度差
どんなに赤ちゃんをそーっと布団に下ろしても、温かく心地よい腕の中からひんやりする布団に下ろされることで、赤ちゃんは人肌と寝具との温度差を感じます。
特に冬場は寝具との温度差が開きがちですので、赤ちゃんを寝かせる前に布団を温めておくなどの対策が求められます。
我が家は寒い地域ですので、ベビー布団に肌触りの良い温かい敷毛布を敷いています。
特に寒い日は、赤ちゃんの足元から少し離れた位置に電子レンジで温める湯たんぽを置く事もあります。
ママから離れる不安感
赤ちゃんはママのにおいが分かるため、ママのにおいが離れていく気配を感じ取って目覚めます。
対策としては、はじめからママのにおいを感じないようにパパが寝かしつけをする、またはパパの毛布や衣類で赤ちゃんを包み込むなどの方法があります。
私が上の子を寝かしつける時に実践していた方法としては、抱っこで赤ちゃんが眠ったら、赤ちゃんを抱っこしながら自分も一緒にベッドに横になります。
イメージとしては、赤ちゃんに腕枕をしながらもう片方の手で包み込むような状態です。
しばらくの間はその姿勢のままで過ごし、まずは赤ちゃんを包み込んでいた腕を戻します。
赤ちゃんが身動きするようなら動かずに待ち、布団をかけて落ち着いたら少しずつ腕枕を外していきます。
赤ちゃんから完全に身体が離れたら、そっと傍を離れます。
上の子は、このやり方で寝かしつけをしていた時期があります。
姿勢の変化
抱っこの姿勢から布団へ下ろすと、赤ちゃんは姿勢の変化で目覚める事があります。
赤ちゃんを布団へおろす時、どこから先に布団に下ろしているでしょうか。
おしりから先に下ろした方が良いという説と、頭から先に下ろした方が良いという説があります。
どちらが効果的なのかは、赤ちゃんによって違うようです。
おしりから下ろす方法
赤ちゃんは肩のあたりが特に敏感だとされており、抱っこから布団に下ろす時はまずおしりを先に下ろします。
そしてゆっくりと背中、肩と下していき、最後に頭を布団に下ろします。
頭から下ろす方法
赤ちゃんはおしりを先に布団に下ろすと不安を感じるため、おしりをしっかり支えて安心感を与えます。
まずは赤ちゃんの頭を布団に下ろし、おしりを支えたままゆっくりと首、背中、おしりの順番に下ろしていきます。
目を覚ましやすい子は、おしりを支える手を離す前に、しばらくそのままの状態で待つと良いようです。
どちらが我が子に合ったやり方なのか、ぜひ試してみて下さい。
また、どちらもいまいち効果を感じられない場合には、ブランケットやおくるみで赤ちゃんを包んだ状態で抱っこをして、そのまま寝かせる方法もあります。
赤ちゃんが人肌と接しないため、温度差を感じにくく目覚めにくいと言われています。
あると便利な入眠グッズ
miracle blanket 魔法のおくるみ
小児科医も推薦するおくるみです。
両腕が固定され、お腹の中にいた時の状態に近くなるため、赤ちゃんのぐずりや夜泣き対策として活用できます。
SOWAKA 寝かしつけの救世主 あったかボア おくるみ
ボア生地で温かく、おくるみとしても防寒着としても使用出来ます。
足がすっぽり入るため、ベビーカーやチャイルドシート使用時にも活躍します。
おくるみで包んで、そのまま寝かしつければ寝具のひんやり感も伝わりません。
睡眠中にモロー反射でビクっとなりやすい赤ちゃんにもおすすめです。
添い寝で最初から布団で寝る方法
いつも抱っこで寝かせていると、ママの腕や腰も痛くなります。
抱っこでの寝かしつけは背中スイッチを常に気にしますが、添い寝ではその心配がありません。
最初から布団で添い寝をして寝かしつける場合は、寝かしつけを行う前に眠る環境を整えましょう。
電気を消しておきましょう。
就寝時間だと赤ちゃんにも分かるように、寝室の電気を消して部屋を暗くしましょう。
良く知られている事ですが、就寝前にスマホやテレビなどを見せると赤ちゃんには刺激が強すぎて、寝つきにくくなります。
真っ暗な部屋を赤ちゃんが恐がるようであれば、赤ちゃんが寝付くまではルームランプなど薄暗い明かりを赤ちゃんから見えない場所でつけておく方法もあります。
寝室や寝具の温度、湿度を調整しましょう。
室温の目安は18℃から22℃前後、湿度は50%から60%前後が快適な環境だとされています。
特に冬場は乾燥しやすく、皮膚や喉へダメージを与えやすいため、室内に洗濯物を干したり、加湿器を使用したりして湿度の調整をしましょう。
布団がひんやりしないように、赤ちゃんを寝かせる前に少し温めておくと良いでしょう。
静かな環境を作りましょう。
赤ちゃんを寝かせる時にドタバタと物音がしていたり、パパとママが話をしていたりすると、赤ちゃんが眠る妨げになります。
布団で添い寝をする方法
赤ちゃんと布団で添い寝をする場合は、1ヶ月健診で特に問題がない事を確認してからの方が安心出来ます。
生後1ヶ月未満の新生児でも添い寝は可能ですが、生まれたての赤ちゃんは身体の機能が未熟で弱いため、添い寝をする時は十分な注意を払う事が求められます。
- 赤ちゃんは1番端に寝かせる。
- 布団の周囲に誤嚥に繋がるおもちゃや小物などを置かない。
- 家具などが倒れてこないように、しっかりと固定をする。
添い寝は、赤ちゃんを真ん中に寝かせてママとパパが両端で眠る「川の字」を想像しがちですが、窒息の危険を回避するためにもママが真ん中に横になり、赤ちゃんはママの隣の布団の端で寝かせるようにしましょう。
ベッドで添い寝をする方法
ベッドはマットレスが柔らかく、赤ちゃんの身体が沈み込みやすく、姿勢が不安定になりがちです。
赤ちゃんと一緒にベッドで眠る場合は、首が座る生後3ヶ月から5ヶ月頃を目安にすると良いようです。
- ベッドを壁にくっつけ、赤ちゃんを壁際で寝かせる。
- 硬めのマットレスを使用する。
- 転落防止のためにベッドガードなどを活用する。
ベッドで川の字で寝たいという場合は、コンパクトベッドなどを活用して赤ちゃんを保護しましょう。
ベッドの高さを変更できるベビーベッドを使用している場合は、大人用のベッドとくっつけて使用する事も出来ます。
赤ちゃんを端に寝かせ、ママが胸のあたりをトントンと優しく叩くと眠りやすくなります。
寝付きにくい赤ちゃんは、添い乳をしたり、オルゴールメリーを鳴らしたり、子守歌を歌ったりしてみましょう。
添い寝に役立つ便利アイテム
布団やベッドでの添い寝に役立つアイテムをいくつか紹介します。
ファルスカ farska 持ち運べるお布団セット コンパクトベット
布団での添い寝をする時に便利な布団つきコンパクトベッドです。
ベビーベッドにそのまま置いて使用する事もでき、鞄のようにコンパクトに持ち運ぶ事が可能で場所も取りません。
布団つきモデルなので、ベビー用の布団を用意する必要もありません。
ファルスカ farska ベッドインベッド エイド
三角のクッションを赤ちゃんの両サイドに取り付けることで、安全に添い寝をする事が出来ます。
成長に合わせて左右の幅を調整する事ができ、コンパクトに持ち運ぶ事も可能です。
使用期間の目安は新生児期から1歳頃までと、従来の商品より使用期間が長めに設定されています。
添い寝のメリット、デメリット
赤ちゃんを添い寝で寝かせる事には賛否両論あり、メリットもデメリットもあります。
添い寝のメリット
赤ちゃんが安心できる
大好きなママがいつも近くにいると感じることで、赤ちゃんが安心して眠ってくれます。
他の寝かしつけの方法に比べて、添い寝だと赤ちゃんの寝つきが良くなり、夜泣きも少ないと言われています。
赤ちゃんの異常にすぐ気付ける
体調不良時や授乳後の吐き戻しなどの異常もママが感じ取りやすく、早く対処をする事が出来ます。
絆が深まる
赤ちゃんがママのそばで安心できるのはもちろん、ママもすぐ近くで赤ちゃんの様子をみることができ、相互に信頼関係を構築しやすくなります。
ママの負担軽減
夜間の授乳はママにとっては重労働ですが、添い寝であれば授乳もすぐに対応でき、ママの負担が減ります。
添い寝で赤ちゃんがしっかり眠ってくれれば、夜中にママが何度も起きることが少なくなり、ママもゆっくり休む事が出来ます。
添い寝のデメリット
窒息の危険がある
大人が寝返りを打って赤ちゃんを潰したり、掛け物が顔にかかったりして窒息するリスクがあります。
SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクが上がる
SIDSのはっきりした原因解明はされていないものの、生後3ヶ月未満の赤ちゃんと添い寝をする事でSIDSのリスクが5倍に上がるとも言われています。
転落の危険がある
ベッドでの添い寝の場合、寝ている間に赤ちゃんがベッドから落ちる事故も実際に発生しています。
ほかの家族の睡眠を妨げる
上の子など、ほかの家族も一緒に寝ている場合、赤ちゃんが起きると他の人を起こす可能性があります。
自分の家の生活スタイルやメリット、デメリットを考慮した上で判断するようにしましょう。
添い寝する時の注意点
添い寝の方法の部分でも紹介しましたが、布団であってもベッドであっても、赤ちゃんと添い寝をする時には大人が注意しなければいけない点がいくつかあります。
赤ちゃんにはベビー用の掛け物を使用する
大人の掛け物を赤ちゃんに使用すると赤ちゃんには暑すぎて熱がこもったり、重すぎて顔や口を塞いだりする危険性があります。
添い寝であっても、赤ちゃんにはベビー用の掛け物を使用するようにしましょう。
また、大人と同じ敷布団で眠る場合には、赤ちゃんの身体が沈み来ないように敷布団は硬めのものを使用しましょう。
パパやママが赤ちゃんの方に倒れ込まないようにする
大人が寝返りをして赤ちゃんの方へ倒れ込まないように、クッションやタオルで工夫をしたり、市販の便利グッズを活用したりして赤ちゃんの安全を確保しましょう。
周囲に誤嚥に繋がる物、倒れてくる可能性のある物や家具は置かない
赤ちゃんをあやすためのおもちゃや小物などは、赤ちゃんが口に入れたり誤嚥したりする可能性があります。
赤ちゃんの口に入る大きさのものは周囲に置かないようにしましょう。
また、赤ちゃんが眠る寝具周辺に物を高く積まない、倒れる可能性のある家具は固定しておくなどの安全対策も必要です。
心身に異常がある場合は添い寝をしない
飲酒や体調不良、疲労などでパパやママの調子がおかしい時には、赤ちゃんとの添い寝は避けましょう。
予期せぬ事故に繋がる可能性も否定出来ません。
赤ちゃんをやや上の位置で寝かせる
我が家で実践していた方法ですが、赤ちゃんが1歳を少し過ぎた頃からベッドで添い寝をしていました。
授乳を考えると、ママが赤ちゃんを抱きしめやすい位置に寝かせる方が良いですが、窒息させる事が恐くて、ママの顔のあたりに赤ちゃんの枕が来るようにしていました。
赤ちゃんの寝る位置を大人よりやや上にしておく事で、大人の布団が顔にかかったり、大人が赤ちゃんに覆いかぶさって口や鼻を塞いだりする危険性が少しは減ると思います。
窒息、SIDSリスクを減らすために寝かしつけだけにする
赤ちゃんの睡眠中の事故で心配なのは、窒息とSIDSです。
SIDS(乳幼児突然死症候群)とは、それまで元気にすくすく育っていた赤ちゃんが、ある日突然死亡する病気です。
窒息と混同されがちですがSIDSは病気であり、欧米では赤ちゃんの死亡原因の第1位です。
厚生労働省の資料によると、日本でもSIDSでの死亡例は多く挙がっており、平成27年度は赤ちゃんの死亡原因の第3位となっています。
特に1歳未満の乳児に多く、何らかの原因で赤ちゃんが深く眠りすぎて、そのまま目覚めないことが突然死に繋がるのではないかという説もあります。
SIDS予防のためにも、危険因子となり得るたばこや赤ちゃんをうつ伏せで寝かせることは控えるよう呼びかけが行われています。
また、寝かしつけをする大人が赤ちゃんと一緒に深く寝入ってしまう事で赤ちゃんを窒息させる危険性も増すため、1歳頃までは寝かしつけだけ添い寝で行うようにした方が安全です。
1歳までは寝ている時も慎重に見守ろう
窒息は事故が多いため、ほとんどの場合は大人が気を付ける事で回避する事が出来ます。
ですが、SIDSに関しては原因解明もされておらず、予測をする事が出来ません。
ママの負担を考えると、早いうちから添い寝に移行したいと考えてしまいますが、少なくとも1歳までは十分に気を付けなくてはいけません。
赤ちゃんが眠っているからといって放っておかず、時々様子を見ながら見守りを行う方が良いでしょう。
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