同じ人が一人もいないのと同じように、言葉の発達の速さや発音の正確さ等、同じように成長する子供はいないとわかってはいても、やはりわが子のことになると周りの子よりも言葉が出るのが遅いと気になってしまいますよね。
2歳になると少しずつ言葉が出てくる子もいますが、子どもに合った言葉の練習を親子で楽しみながらできると子どもの成長が感じられ、不安を軽減する事に繋がります。言葉の発達の目安を知り、親子で楽しく言葉のスキンシップを楽しみましょう。
子どもの言葉の発達の目安
2歳~3歳になるまでの子供の特徴として以下のことが挙げられます。
- 2歳になると約200語の単語を理解しています。
- 2語文や3語文を使います。
「あかちゃんねんね」「あっちいっちゃった」「あっちにワンワンがいた」「パパがおしごといった」
- 今起きていることについて独り言を言います。
「○○ちゃんね・・」と自分の名前を入れて独り言を話します。
- 「なあに?」や「どこ?」「なんで?」と質問をします。
- 発音は未熟です。
子供の下と唇がまだうまく強調して動かないので、難しい発音や混合音を言えないせいです。
- 細かい部分にとても興味を持つようになります。
例えば「まゆげ」「ひざ」服で言うと「ボタン」など
- 概念もどんどん広がる
「大きい」「小さい」「ひとつ」「たくさん」
他にも色や形やサイズなど、幅広く理解してきます。
- 過去や未来のことも話せるようになります。
「公園についたら・・」「買い物に行ったとき・・・を見た」
言葉が早いや遅いは個人差が大きい
子供が生まれてから、成長していくとき、首すわりのタイミング、お座りのタイミング、ハイハイのタイミングと、体の発達にはすべて個人差があります。
同じように言葉の発達にも個人差があります。
子どもの性格にも左右されます。
例えば、好奇心旺盛な性格で積極的な子は覚えた言葉を話してみたいと思い口にするかもしれませんが、慎重な性格の子は頭では言葉を理解していても話そうとしないかもしれません。
性別によっても違う?
一般的によく耳にするのは、「女の子の方が男の子よりも言葉が出るのが早くておしゃべりするのが上手」という話です。
これは女の子の特徴と言えるのでしょうか?
脳科学では、生まれつき女の子の方が男の子よりも言葉が早く発達するということは証明されていないようです。
推測では、ママは無意識のうちに女の子には早い時期からたくさんの言葉をかけて子どもが学習している可能性があります。
あまりにもよく女の子はおしゃべりだと聞くので、そうしている。ということでした。
確かに、男の子でもおしゃべりで言葉が発達しているお子さんもいますよね。
そう考えると、言葉の発達も男の子と女の子に関係なく、育った環境の中でいかに働きかけるかによっても変わってくる、ということになります。
言葉が出ない子も聞いたら理解している
言葉が話せなくても、長くて複雑な話を理解できるようになっています。
毎日の生活でいろいろなことに出合うので、知っていることが増えています。焦らずに、暮らしの中で常に学習をしているとママも穏やかに見ているものや感じていることを言葉にするだけで大丈夫です。
その証拠にママの話を聞いて行動していませんか?「買い物に行く」と言っただけで、靴を取りに行きます。「手を洗おう」と言っただけで、洗面台へ行きます。
言葉や話がなかなか出てこない場合でも、聞いて理解していればいずれ何かのきっかけで急に言葉が出てくるようになります。
言葉が遅い原因
言葉が遅い原因には、その子自身に何か問題があるというよりも、周りの働きかけに理由があることが多いです。
一人で遊ぶことが多く、自分から話をする機会が少ない
大人があまり一緒に遊ぶ機会がない。
一緒に遊ぶ時間を意識して作ることで、同じ経験を通して会話の内容が豊かになり、子供を伸ばす事にも、周りの世界を理解することにもつながります。
子どもの言った言葉の訂正が多く自信が持てない
まだうまく言葉が発音できない子どもが「じゅーちゅ」と発音すると、「じゅーちゅじゃなくてジュースよ」「はい、ジュースって言ってみて」と言葉を訂正することはあまりよくありません。
不完全な言葉を訂正すると、自分を否定されたと思い話すことが楽しくないと感じるからです。
「そうね」とまず言っていることを認めげ挙げて、自然に「ジュースがほしいのね」と訂正します。
障害により言葉を出したくても出せない
- 発達性言語障害
- 難聴
- 知的障害
- 情緒障害
- 脳障害
例えば、日常生活で言葉を理解していない様子がうかがえる場合(目はどこ?などの質問に答えられるか)、耳が聞こえていない様子、周りのことにあまり興味を持たない、落ち着きがないなど、気になることがあれば、専門医を受診してみましょう。
言葉が出やすくなる遊び
親子の遊びの中で言葉の発達を促す事が出来ます。
遊びを始める前の準備
- 静かで邪魔の入らない場所で話します。
- お気に入りのおもちゃをそばに用意します。
- 「いま、ここ」の現在のことを話題にします。
- ゆっくり大きめの声で話します。
いつもすぐ手の届く同じ場所におもちゃを置くことで子供はより気持ちが落ち着いた状態になりますし、やりたいことに集中する事が出来ます。
聞くことは楽しくて面白くて、心地が良いことだと思える経験を
できることはたくさんあります。
- 子どもの物語の替え歌を歌う。
歌の主人公を子どもの経験したことや名前を入れると集中して歌を聞き、それを楽しみます。
- 繰り返しの言葉が入ったわらべうたを歌う。
「一本橋こちょこちょ」「いとまき」「どんぐりころころ」など
- とことん「なんで?」「どうして?」の質問攻めに、子供が満足するまで付き合う。
それだけでも子供の語彙力を増やしますし、好奇心をくすぐり沢山のことを学びます。
- ダジャレの入った言葉遊びをする。
韻を踏んだ言葉遊びを子供は大好きです。
- 擬音語遊びをする。
ダダダ、ぶっぶーなどの音を声に出すと喜びます。
子どもは突然しゃべりだす
言葉のインプットが十分にされたときにアウトプットが始まります。子どもの中には言葉がたくさん詰まっていて、それがあふれだす瞬間があるのです。
それまでに周りの大人ができることは、最適な方法で子どもに話しかける事とはっきりした発音で話しかける事が大切です。
成長が著しいこの2歳の時期を親子で楽しく過ごす事が結果的に子どもの成長を助けることになります。
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