指しゃぶりしてますか?
指しゃぶりは赤ちゃんの最初の遊びといわれます。
しかし、衛生面はどうなのか、このまま指しゃぶりをさせていいのか、いつまでにやめるものなのか等気になりますよね。
気になることいろいろと指しゃぶりする理由、3つの対処法をまとめて説明します。
生後3ヶ月の指しゃぶりの状況
もうすぐ4ヶ月になる赤ちゃんがいます。
今は、人差し指と中指をしゃぶるのがブームです。
どちらかというと右手の指をしゃぶっています。
特にお腹が空いた時は指しゃぶりをしています。
2ヶ月目になるくらいから始まってそれほど長くしゃぶっている感じではありません。
少しぐずりながら指しゃぶりをすることが多いのでそろそろお腹が空いてきたかなというサインくらいに思っています。
抱っこすると泣き止み指しゃぶりも辞めたりするのでお腹が空きすぎてというよりはなんだかお腹空いてきたかもくらいで指しゃぶりをしているようです。
他にもこんな指しゃぶりをしている
保育園で働いている時に見る赤ちゃんの指しゃぶりの話をすると、いろいろなパターンがあって、個性があるなぁと感心します。
基本は親指を吸います。
よく指しゃぶりをする子は1歳くらいで吸いだこが出来ています。
利き腕が多いのか右手の親指を吸う子が多いです。
指でいうと人差し指や中指を2本口に入れる子もいますし、中には指全部を入れる子もいます。
指全部入れているのを見た時は、えっ~そんなに指が入るの??とびっくりしました。
他にはタイミングとして、お腹が空いたと眠い時が多いです。
眠った後も指しゃぶりしていて口が動いていることもよくあります。
吸いだこができるくらい指しゃぶりをする子は普通に遊んでいる時も指しゃぶりしている時間が長いです。
愛情不足ではない赤ちゃんが指しゃぶりをする理由
よく指しゃぶりするのは愛情不足だからということを聞きますが、それは正しくありません。
ストレスで指しゃぶりをするという説明をしているところがあるので、赤ちゃんのストレスは愛情不足と理解してしまったのではないかと思います。
このストレスも指しゃぶりの理由とはちょっと違うかと感じています。
赤ちゃんの指しゃぶりの理由は月齢によって2つに分かれます。
生後2ヶ月から6ヶ月くらいは「吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)」という赤ちゃんがみんなもっている反射の1つです。
そのため、赤ちゃんは無意識のうちに指しゃぶりをしているのです。
よく妊娠中にエコーを見る機会があるかと思いますが、エコーに映った赤ちゃんが指しゃぶりをしていることもあります。
それくらい赤ちゃんは指しゃぶりするものなのです。
そして吸うという行為はお母さんの母乳を飲んでいる時や寝ている時におっぱいを吸うように口を動かすように赤ちゃんが安心する行動につながっていて腹が空いた時とか眠くなった時に指しゃぶりをしていると指しゃぶりをすることで落ち着きます。
もう1つの理由は6ヶ月以降の赤ちゃんの場合です。6ヶ月までの指しゃぶりの習慣が継続しているといえます。
例えば、自分の家にいると安心するし、落ち着きますよね。
また、いつもしている行動(流行りの言葉でいうとルーティン)をすると落ち着きます。
赤ちゃんも同じように無意識のうちにいつもしているので癖になっている指しゃぶりをするとどこか安心したり、落ち着いたりします。
吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)とは?
赤ちゃんが口の中に入ってきた哺乳瓶の乳首や指を吸うことを吸啜反射といいます。
生まれたての新生児が哺乳瓶でミルクをもらっている時に何も教えていないし、見て覚えたわけでもないのに自然にミルクを飲むことができるのは吸啜反射が備わっているからです。
吸啜反射は生まれた時から備わっていて6ヶ月くらいで自然と消えると言われています。
6ヶ月くらいになると赤ちゃんも自分で意識的に口を動かせるので不要になります。
指しゃぶりはいつからいつまでするの?
指しゃぶりはだいたい2ヶ月目から始まります。
最初はうまく動かせなかった手や指がだんだんと動かせるようになっていきます。
個人差はありますが、吸啜反射が活発な時期に口の近くに手が来て指しゃぶりが始まります。
どの指が口に入ったかで指しゃぶりの指が決まるのでしょうか?
これは私も長年研究している課題です。
親指を吸う子は最初に入ったのが親指だったのか?
人差し指と中指を吸う子は最初に入った指が2本だったのか?
謎です。
誰かが研究して論文発表してくれるとうれしいです。
最初は吸啜反射により始まった指しゃぶりですが、吸啜反射が無くなる6ヶ月くらいでも指しゃぶりは無くなりません。
指しゃぶりが無くなるのは1歳~3歳です。
言葉をしゃべるようになると自然と無くなります。
そのためよくしゃべる子ほど早くしなくなるように思います。
保育園で見ていると個人差があるので言葉をしゃべるかどうかだけではないようにも思えます。
でも、ある程度の傾向は言葉をしゃべるかで見れると言えます。
4歳になっても自然と指しゃぶりが無くならない場合は辞められるように手助けをして止めるようにすることをお勧めします。
理由は、歯並び等に影響があるためです。
ほとんどの時間指しゃぶりをしているが大丈夫か?
1歳前後で指しゃぶりがひどくてほとんど1日中指しゃぶりをしていて心配という話を聞きます。
安心してください。
1歳くらいでしたらしたいだけさせてあげて大丈夫です。
小学校まで指しゃぶりをしていて吸いだこが出来ていたという友達も大人になった今では左右の指はほぼ一緒です。
吸いだこがあったのもわからなくなっています。
ただ、あまりに長い時間同じ指をしゃぶっていると指があかぎれやただれたように荒れてきます。
兆候が見えたら少し指しゃぶりする時間を短くする工夫が必要かもしれません。
指しゃぶりを短くするためには指しゃぶりしなくていい態勢にしたり、他のことに集中させたりして気をそらして指しゃぶりしないようにします。
両手をつないで遊んだり、手に何かを持たせてみたりといったことです。
指しゃぶり3つの対処法:除菌や消毒は必要?
指しゃぶりをすると必然的に指を口の中に入れることになります。
その時に指に髪の毛がついていたり、いろんなものを触った後で指を口に入れたりするので不衛生だと感じた方は正しいです。
ただ、何がついているかわからないからと言って、赤ちゃんの手や指を除菌したり消毒したりしようと考えるのは早計です。
おすすめする3つの対処法:
- 手洗いをする
- 爪を切る
- 周囲のおもちゃや物を除菌・消毒する
手洗いをする
手や指は普通に手洗いをしてください。
頻繁に手洗いする必要はなく外出から帰ってきた時や離乳食が始まっていれば食事前、後は見るからに手が汚れた時くらいです。
必要以上に手を洗ったり消毒したりすると赤ちゃんの手や指は荒れてきて傷からばい菌が入る等の問題が出てきます。
爪を切る
指の中でも特に爪はばい菌などが溜まりやすく、爪が伸びていると手洗いの時に洗い残しがあったり、口に入れた時に傷をつけたりする可能性が増えます。
赤ちゃんの爪は切りにくいし、すぐに伸びてきますがこまめに切ることで衛生的に過ごせるようになります。
周囲のおもちゃや物を除菌・消毒する
指を消毒するのは難しいですが、赤ちゃんの周りにあるおもちゃや物を除菌・消毒してください。
特に外出先で触るものには気を付けてください。
同じように赤ちゃんのいる家や子育て支援センター等でしたら毎日のように消毒等しているとは思いますが、両親の実家に帰省した時や子どもが遊べる空間がある場所に行った時は特に気を付けてください。
保育園ではどうしているかというと、おもちゃは使った後にすぐに消毒します。
消毒殺菌にはピューラックスを薄めて使用します。
ピューラックスは次亜塩素酸ナトリウム6%を成分とする医薬品でインフルエンザやノロウィルスにも効果があります。
床や壁等もこのピューラックを薄めたものを使用して掃除します。
また、プールの消毒に使用することもあります。
歯並び、出っ歯など影響がある?
日本小児歯科学会の提言として発表されています。
日本小児歯科学会の調査を参考にすると長期にわたっての指しゃぶりおよびおしゃぶりは歯並びやかみ合わせに影響があると結論付けています。
一方で、2歳児でも多少の影響が見られるが成長とともに改善される範囲として2歳半までに指しゃぶりを辞められるようにとまとめています。
また、4歳以上になっても続くようなら小児科医に相談するように勧めています。
結局、今の段階では好きにさせるのが一番いい
まとめると指しゃぶりは2歳半まで好きにさせておくのが子どもの気持ちを考えても一番よい手段です。
吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)という赤ちゃんの自然な現象です。
指しゃぶりを自体をどうしようかと考えるよりも、赤ちゃんが指しゃぶりをしても大丈夫な環境をいかに整えるかを考えた方が成長にプラスとなります。
あまり頻繁に指しゃぶりするようなら手を使う遊びやふれあいを通して頻度や時間を短くしていき2歳半までに自然と辞められるように導いてあげることが大切になります。
2歳半の頃には自分の意志で行動をするようになっていますので、叱ったり無理に辞めさせようとするのは情緒面を不安定にしたり、逆効果になったりする可能性があります。
指しゃぶりは子どもの気持ちを考えて好きにさせるのが一番いいです。衛生面を気にするなら手洗いや爪切りをこまめにしましょう。2歳半になる頃にまだ指しゃぶりをしていたら対策を考えていくといいですね。
コメント