生後2ヶ月、赤ちゃんの体重が思ったように増えなくて心配になるママはたくさんいます。
育児にも少し慣れてきて我が子の成長も楽しい時期です。
でも、常に心配はつきませんよね。日々成長していく我が子に感動しながらも、思いの他ゆっくりとした成長ペースに心配になる事もあります。
周りのママから「うちの子は〇kgになったよ」という話を聞く度に、「同じ頃に生まれたうちの子はまだ〇kg・・・」と、周りと比較して焦りを感じる事もあります。
赤ちゃんはどんどん大きくなるようなイメージがありますが、実際には体重が思ったように増えない事も少なくありません。
そこで今回は、赤ちゃんの体重が増えない原因やその対策について紹介します。
赤ちゃんの体重が増えていなくても心配ない場合
体重は、赤ちゃんの健康状態のバロメーターの1つです。
ママは出産してから産院での入院生活の間もずっと、赤ちゃんの体重との睨めっこをしています。
赤ちゃんの体重が減ると心配になり、増えれば成長を喜び、横ばいだと母乳とミルクの与え方に頭を悩ませ・・・体重の推移に一喜一憂の日々です。
赤ちゃんは自分の言葉で喋る事が出来ず、泣いたり笑ったりする以外では意志を伝える事もほとんど出来ません。
哺乳量は足りているのか、具合は悪くないのか、赤ちゃん自身が訴える事は出来ないため、ママやパパが赤ちゃんの様子を見て判断するしかありません。
少し経験談をお話すると、我が子は産院から退院するまでの間に一旦体重が増えたものの、退院2日前に体重が減り、とにかく授乳間隔を3時間空けずに母乳とミルクを飲ませ続けました。
体重測定の度に「しっかり母乳を飲ませて」と言われ続けてミルクを足す日々を送り、母乳母乳と言われ続けるプレッシャーで母乳の出も悪くなるという悪循環に陥った事もありました。
それでも体重はほとんど増えず横ばいでしたが、赤ちゃんもぐったりした様子はなく元気で排尿回数も問題なかったため、1ヶ月健診まで注意しながら様子を見る事になりました。
退院してからも母乳を上手く飲めない子で、ミルクを飲ませようとしてもすぐに寝てしまい、夜も起こしても起きないため授乳が出来ない状態でした。
毎日赤ちゃんの体重を測っては、数グラムの増減に溜息をつく日々でしたが、1ヶ月健診では出生時より700g近く増えていて、体重も問題ないと言われました。
体重も毎日測る必要はなく、1週間ごとの測定で良い事や、哺乳量が少なくても元気があって、排尿もしっかり出ているようであれば体重があまり増えなくても心配がないと言われ、とても安心した事を覚えています。
赤ちゃんの体重が増えてないことが心配な場合
赤ちゃんの体重が増えないと気にするママは多いですが、ほとんどの場合は心配がない事が多いです。
ただ、体重が増えていなくて更に赤ちゃんのおしっこの量や回数が少ない、おしっこの色が濃い、元気がないなどの様子がみられる場合は水分や栄養が足らず脱水症状になっている可能性があります。
赤ちゃんに上記のような症状がみられた場合、授乳時の様子を再確認してみましょう。
上手く飲めているか
母乳の分泌量が多すぎたり、母乳の出が少なかったりしていないか気にしてみましょう。
口には入るものの、赤ちゃんの口の端から母乳が流れ出ている事もあります。
おっぱいの先端だけでなく、乳輪のあたりからくわえさせるようにしましょう。
口の動きだけでなく、喉の動きをみてしっかり「ごっくん」が出来ているか確認してみましょう。
赤ちゃんが飲んだ母乳量は、授乳前後に体重測定を行う事で把握する事が出来ます。
飲みやすい姿勢か
赤ちゃんによって、哺乳しやすい姿勢が違います。
吸う力が弱い赤ちゃんや、おっぱいをくわえる事が下手な赤ちゃんは横抱きより縦抱きやフットボール抱きの方が母乳を飲みやすいようです。
授乳に集中できる環境か
授乳時にテレビやビデオ、スマホなどの画面を見せると、赤ちゃんが集中できず哺乳量が減ります。
また、ママが赤ちゃんの方を見ずにスマホの画面を熱心に見ていると、赤ちゃんはママが自分を見ていない事に気付き、あまり母乳やミルクを飲もうとしなくなります。
授乳時は、静かな環境で赤ちゃんの目を見て、優しく語り掛けながら赤ちゃんと接しましょう。
赤ちゃんの唇はどうなっているか
赤ちゃんがおっぱいや哺乳瓶をくわえる時には、ドナルドダックのような口が良いとされています。
我が子は哺乳時、上下の唇を内側に巻き込みながら哺乳していたため、うまくおっぱいを吸えずに体重が増えないどころか減って、何度も助産師さんから指導を受けながらミルクを足し続ける日々を送っていました。
生後3ヶ月くらい経った頃、ようやくドナルドダックのような口で飲めるようになりましたが、上の子も同じ状態だったため、遺伝も関係するのかもしれません。
授乳間隔
生後1ヶ月頃までは3時間おきに授乳するよう産院では指導されます。
昼間は比較的授乳間隔を守れますが、問題は夜間帯の授乳です。
時折、生後間もない頃から夜しっかり眠ってくれる赤ちゃんがいます。
ママにとっては身体を休める時間が出来てありがたいかもしれませんが、赤ちゃんにとっては水分不足になるリスクと隣り合わせです。
我が家の下の子は夜5時間から6時間はまとまって眠る赤ちゃんで、授乳のために起こしても起きない事が多く、起きてもおっぱいを全然吸わないため、無理に起こす事をやめました。
1ヶ月健診で体重は増加していて問題ないと言われましたが、気になって夜間の授乳について医師に相談した事があります。
医師からは、赤ちゃんは身体が未熟なため、授乳間隔が開きすぎると血糖値が下がってくる事があるとの話がありました。
起こしてもどうしても起きない時は仕方ないそうですが、ある程度体力がつくまでは授乳間隔を5時間は開けないようにして欲しいと指導されました。
なかなか覚醒しない赤ちゃんであっても、口におっぱいを含ませれば吸い付いてくる事もあるそうです。
ミルクを嫌がる
母乳の後にミルクを足している場合、突然ミルクを嫌がるようになる事があります。
母乳だけでは足りないのにミルクを嫌がって飲まない場合には、離乳食を開始すると栄養不足が補える事があります。
すでに離乳食をはじめている場合には、少し量を増やす、様子を見て回数を増やすなどの対応をしていくことで、次第に体重も増えていきます。
記事を書いている今、我が家では下の子がミルク拒否をしています。
離乳食をはじめる少し前から哺乳量が激減していましたが、離乳食はそれなりの量を食べ、食後のミルクは飲みません。
機嫌が悪く離乳食を食べる事が出来ない時もありますが、様子をみながらこまめに水分摂取を進めています。
哺乳量が減少しているので体重も減るのではないかと心配でしたが、今のところはほぼ横ばいで、微増という状態です。
赤ちゃんの体重が少ないかどうか判断する方法
赤ちゃんには、体重が減る時期、どんどん増える時期、緩やかに増える時期があります。
赤ちゃんは生後数日の間に体重が一時的に減少しますが、これは赤ちゃんが飲む母乳やミルク量より、おしっこや汗、便として出ていく水分量の方が多いために起こるもので、生理的体重減少と呼ばれています。
一般的には生後10日頃までに出生時の体重まで戻ると言われており、生後1ヶ月頃までには出生時より700から1000g体重が増加していれば問題ないとされています。
1日あたりの体重増加は約30gが目安となりますが、母乳かミルクか混合かによっても変わってくるため、生後3ヶ月頃までは1日に約15から30gくらいずつ増加していきます。
生後3ヶ月くらいになると、出生体重の約2倍まで体重が増加すると言われており、4ヶ月頃から体重増加は緩やかになっていきます。
生後1年で出生時の約3倍の体重になると考えられていますが、個人差が大きいため、一般的な目安より体重が多い子、少ない子がいます。
「我が子は標準なのだろうか・・・」と心配になった時には、母子手帳の身体発育曲線(成長曲線、発育曲線とも言います)を参考にすると良いでしょう。
月齢や年齢ごとの身長、体重の推移がグラフ化されていますので、健診などで測定した数値を当てはめていくと右肩上がりのグラフになると思います。
平均値も分かるようになっていますが、平均値からはみ出しているからといって異常な訳ではなく、ゆるやかであっても右肩上がりになっていれば問題はありません。
途中までは右肩上がりに増えていたのに途中から減っている場合や、身長は増えているのに体重が減り続ける場合には、注意が必要となってきます。
生後2ヶ月の赤ちゃんの例を考えた場合
生後2ヶ月くらいになるとなんとなく首が座ってきているのかなと感じる赤ちゃんもいると思います。
この頃の赤ちゃんは1日あたり10回前後くらいの授乳で約1000mlの母乳やミルクを飲んでいます。
標準的な体重は4.1kgから7.2kg前後と個人差がかなりある時期です。
まだ母乳やミルクをうまく飲めない赤ちゃんもいて、自分で飲みたい量を飲めていない場合があります。
この時期に体重が増えないからといって、過度に心配する必要はありません。
検査や医師に相談した方がいい症状
体重が増えない事を心配しているママは多くいますが、ほとんどは杞憂に終わります。
しかし、中には健診時または受診をして医師に相談した方が良い症状もあります。
例えば、下記のような症状がみられる場合には医師に相談する事を検討しましょう。
- 1ヶ月間まったく体重が増えない、体重が減っている。
- 赤ちゃんのおしっこの回数が少ない。
- 尿量が少なく、色が濃いおしっこが続いている。
- 機嫌が悪く、食欲がない。
- 元気がなく、ぐったりしている。
- 赤ちゃんの体温が低い。(35度台)
赤ちゃんの体重が増えない病気や障害
病気のために体重が増えない事は稀なようですが、体重が増えない、減り続ける場合には下記のような病気が潜んでいる可能性も否定できません。
ヒルシュスプルング病
先天性の病気で、腸閉塞や重い便秘症を引き起こします。
新生児期や乳児期に症状がみられる事が多く、強い腹部の張りによる哺乳量の低下、嘔吐を繰り返す事による体重減少、腸炎などがみられる場合があります。
好酸球性消化管疾患(新生児-乳児食物蛋白誘発胃腸炎)
難病指定されている病気で、主にミルクが原因となって嘔吐を繰り返す、血便、体重が増えない、下痢などの症状を引き起こします。
診断が難しく、早産児や低体重児に多くみられる病気です。
アレルギー性腸炎(アレルギー性胃腸炎)
食物アレルギー反応の1つで、乳幼児に起こりやすい病気です。
主な症状としては腹痛や下痢、嘔吐などがみられ、重症化すると呼吸困難や血圧低下を引き起こす恐れがあります。
下痢が続く事で体重が増えない状態になります。
肥厚性幽門狭窄症
生後2週間から生後2ヶ月の間に起こる病気で、胃の出口である幽門の筋肉が一時的に厚くなる事で胃にミルクが溜まり、ミルクを飲むと噴水のように吐きます。
ミルクを飲んで吐く事を繰り返すうちに脱水状態となり、体重の増加不良がみられるようになります。
胃食道逆流症
ミルクや母乳が胃から食道に逆流してくる病気で、1歳未満の赤ちゃんに多く起こります。
赤ちゃんはゲップを上手に出来ないため、空気が胃の中に溜まって圧迫して、空気と一緒に胃の中のものを嘔吐します。
嘔吐を繰り返すことによる栄養不足、体重増加不良がみられます。
胃軸捻転症
胃が捻じれて食道を圧迫する事によって、嘔吐や腹部の張り、痛み、頻回のおなら、寝かせると機嫌が悪くなるなどの症状がみられます。
抱っこだと機嫌が良くなり泣き止むのに、上向きに寝かせると機嫌が悪く泣いてばかりいる場合は、胃軸捻転症の可能性も考えられます。
赤ちゃんは胃の位置がしっかりと固定されていないため、ちょっとした動きで捻じれやすいです。
また、哺乳時に空気も一緒に飲み込んでしまう事が多い新生児から生後2、3ヶ月にかけて発症しやすく、胃の位置が自然と固定される生後3ヶ月頃には自然と治る事が多いようです。
病気や障害以外で体重が増えない原因として考えられることと対策法
赤ちゃんの体重が増えない事を不安に思うママにとって、病気や障害のせいではないと分かるだけでも少し気持ちが軽くなると思います。
では、病気や障害以外で赤ちゃんの体重が増えない原因としてどんな事が考えられるでしょうか。
哺乳量が少ない
赤ちゃんが飲む母乳やミルクの量が少ない可能性がありますが、母乳育児かミルク育児か混合育児かによっても違いがありますし、赤ちゃんによっても哺乳量は異なります。
ミルクの缶に記載されている摂取量はミルク育児の場合の目安であり、それを下回っていてもそれほど心配がない場合がほとんどです。
実際、我が子はかなりミルク寄りの混合で育てていますが、ミルクの摂取量は目安量の3分の1以下です。
それでも体重は少しずつ増えていますし、元気いっぱいです。
「うちの子は省エネで、少しのミルク量でも吸収が良いのかな」と思っています。
哺乳量が心配な場合は、授乳の合間に白湯や麦茶を飲ませる、月齢によっては離乳食を開始する、離乳食の回数を増やすなどの対応方法もあります。
また、無料で赤ちゃんの発育や栄養相談を受け付けている機関や窓口もありますので、体重が増えなくて心配な場合は相談をしてみるのも良いと思います。
運動量が多い
赤ちゃんも首や腰が座ってくると、頭を左右に動かしたり、寝返りをしたりと運動量が増えてきます。
哺乳量が十分でも、運動量が多いと消費するエネルギー量が多いため、体重はあまり増えないようです。
良く動く赤ちゃんは、活発で元気がある証拠ですので、あまり体重が増えないからと言って心配しなくても大丈夫です。
赤ちゃんが動かないように抑制する必要はありません。
運動の合間にしっかりと水分や栄養の補給をするようにしましょう。
身長が伸びる影響
赤ちゃんの体重と身長は同じ時期に伸びるのではなく、体重が増える時期と身長が伸びる時期を交互に繰り返しているようです。
体重があまり増えない時は、赤ちゃんの身長が伸びる時期になっているのかもしれません。
気になる時には体重だけでなく、身長も測ってみると良いと思います。
室温(気温)が低い
体重と室温(気温)に何か関係があるのかと思いますが、人間は体温を一定に保つために身体のエネルギーを消費しています。
赤ちゃんも同様に体温を保ちますが、室温が低いと体温を保つために必要なエネルギー量が多くなります。
たくさん母乳やミルクを飲んでいてもエネルギーとして消費されるため、体重が増えないという場合もあります。
赤ちゃんは気温の影響を受けやすいため、室温が低い場合は体温も低くなる傾向があります。
快適な室温としては、冬場は20℃から23℃、夏場は25℃から28℃くらいを目安にしましょう。
赤ちゃんの体重が増えないことによる影響
赤ちゃんの体重があまり増えない時、気になるのは体重が増えない事による影響です。
体重の増減は発育の目安となる以外、どんな事に影響を与える可能性があるのでしょうか。
赤ちゃんの体重が増えないという事は、栄養不足に陥っている可能性があります。
栄養が足りていなければ身体機能の発達にも影響が出ますし、脳にも栄養が行きわたらず、脳が委縮する、言語障害などが出現する、脳の発育が遅れるなどの可能性も考えられます。
しかし、栄養状態が改善されれば発育の遅れは取り戻せると言われていますし、栄養状態よりも親が子供と接する時の関わり方の方が脳への影響が大きいという説もあります。
赤ちゃんの時期は脳の発達がめざましい時期で、3歳くらいまでには脳の80%が完成して、6歳で90%、12歳で大人と同じ脳が完成すると言われています。
そう考えると確かに、乳幼児期の脳への栄養は重要なものなのかもしれません。
一時的な栄養不足が即、脳に影響を与える訳ではないですが、栄養不足が長期に渡って継続することで何かしらの影響が出る可能性は否定出来ません。
ある程度の期間、体重が全く増えないようであれば小児科や相談窓口に相談してみる事をお勧めします。
赤ちゃんの体重があまり増えない時期がある
これまでもお伝えしてきたように、赤ちゃんには体重がどんどん増える時期、あまり増えない時期があります。
子供の成長スピードには目を見張るものがありますが、凄い勢いで体重が増え続ける訳ではありません。
自分の身体を思うように動かせなかった赤ちゃんが、月日を重ねていく事で自分の身体を動かせるようになっていき、動きも活発になって運動量も増えていきます。
主な栄養源も、母乳やミルクから離乳食へと移行していきます。
離乳食では好き嫌いがはっきりしてくる場合もあるため、一時的に体重が減る事もあります。
毎日体重を気にしていると、1日でも体重が減少している日があれば気になりますが、体重の推移は1週間単位くらいで見ていくものですので、減っている日があってもそれほど気にする必要はありません。
どんどん体重が増えていくことも成長ですが、あまり変化がなく緩やかに体重が増えていくことも成長の証です。
慌てずに少しずつ増やしていこう
体重は体重計に乗れば数値が目に見えて分かる分、乳幼児期の体重は少しの増減でも気になります。
私自身も、上の子や周りの子と比較して我が子の哺乳量や体重の増減について悩んでしまう事もあります。
でも、子供の成長は誰かと比べるものではありませんし、子供の様子は毎日長時間接しているママが一番把握出来ているはずです。
体重が思うように増えなくても、子供の様子が普段と変わらず元気いっぱいであれば、焦って受診をする必要もないように思います。
赤ちゃんの時期は、あっという間に過ぎ去ります。
体重ばかりを気にして、赤ちゃんの大事な成長の瞬間を見逃すのは勿体ないです。
子育てにトラブルはつきものですが、焦りは禁物です。
その子なりの成長のペースを温かく見守り、無理なく少しずつ体重を増やしていけると良いですよね。
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