赤ちゃんの世話をしていると、ふいに赤ちゃんがニコッと笑ってくれる事があります。
私はその笑顔を見ただけでメロメロになってしまい、何とか笑わせようと必死になってしまいます。
生まれたての赤ちゃんは、泣くのが仕事です。
ほとんど無表情で、泣くことと眠ることを繰り返していますが、だんだんとママやパパの顔を見て笑顔を見せてくれるようになります。
赤ちゃんの笑顔は、なぜこんなにも可愛いのでしょうか?
可愛い笑顔をたくさん見るために、赤ちゃんを笑顔にする遊びやコツを紹介します。
赤ちゃんの笑顔はなぜかわいい?
私達は、なぜ赤ちゃんの笑顔をこんなにも可愛いと思うのでしょうか。
赤ちゃんの笑顔は、ヒトが生まれた時から持ち合わせている本能だとよく言われています。
生まれて間もなく巣立っていく自然界の動物と比べて、人間の赤ちゃんは体がふにゃふにゃで、目もよく見えません。
1人では何も出来ない赤ちゃんは、笑顔を作る事によって主に母親の母性を刺激して周囲の大人に守って貰おうとするのです。
「ママにお世話をしてもらいたい」という無意識的な願望の現れなのかもしれません。
では、次から2つの笑顔の話を紹介します。1つは、よく言われている本能的な笑顔です。もう1つは、まったく逆の学習から身についた笑顔です。
赤ちゃんはいつごろから笑顔ができる?
新生児の頃に笑ってくれた、というママもいるかと思いますが、新生児の頃の笑顔は本能的なもので、新生児微笑や生理的微笑と呼ばれています。
一方、赤ちゃんが自分で笑顔を作れるようになるのは、目がぼんやりと人が見えるようになってくる生後2~3ヶ月くらいからです。この頃から学習でできるようになるのが社会的微笑と呼ばれています。
新生児微笑(生理的微笑)
新生児の微笑みは、赤ちゃん自身が笑おうとして笑顔になっている訳ではなく、本能によってほぼ無意識に笑顔になっています。
とはいえ、出産で疲れ切っている時に赤ちゃんがニコッと笑ってくれたら、とても嬉しいものです。
社会的微笑
新生児の頃にはよく見えなかった目も、生後2~3ヶ月頃になると大分見えるようになってきます。
赤ちゃんの名前を呼ぶと振り向いたり、ママやパパの顔を見て笑顔を見せてくれたりするようになり、嬉しい、楽しいという気持ちが芽生えてきます。
そして生後5ヶ月くらいになると、声を上げて笑うようになってきます。
人の顔がしっかりと判別出来るようになるため、人見知りが始まります。
赤ちゃんの笑顔はもともと身についているものではなく、学習によって後天的に獲得していくものです。
新生児でも全く何も分からない訳ではなく、泣いている時にも脳が情報を集めています。
赤ちゃんは大人がなぜ笑いかけてくるのか理解できませんが、自分がニコッとした時に周りの人たちがたくさん可愛がってあげると、構って貰えて嬉しい、心地が良いという感覚を脳が覚えます。
赤ちゃんは、たくさんの笑顔を見る事で脳に笑顔を覚えさせ、それが人と人とのコミュニケーションに役立つものであると理解できるようになります。
人の表情をじっと見て、赤ちゃんは一生懸命真似をしようとして、「同じ表情をするんだよ」という信号を筋肉に送ります。
それを繰り返す事でママやパパの表情の真似をしたり、仕草を真似したりする事を覚えていくのです。
ミラー反応という言葉がありますが、赤ちゃんが笑顔を見せると周りの大人も笑顔になるため、赤ちゃんは嬉しくて更に笑顔になります。
すると赤ちゃんの頭の中の回路が、笑顔になるのは嬉しいこと、楽しいことだとインプットするため、笑顔の多い赤ちゃんになります。
自分の真似を赤ちゃんがしているのかと思うと、とてもくすぐったい気持ちになりますね。
赤ちゃんの笑顔の効果は?
赤ちゃんの笑顔はとても可愛くて、見ているだけで癒されます。
この笑顔があるからこそ、楽しい事ばかりではない育児も乗り切れる気がします。
笑顔の多い赤ちゃんは周囲から好かれますし、ママやパパも赤ちゃんを笑わせようとする事で精神的にも安定した状態になります。
赤ちゃんとのスキンシップを通して、愛情ホルモンと呼ばれる「オキシトシン」の分泌も促進されます。
オキシトシンがたくさん分泌される事で精神的に安定して、赤ちゃんへの愛情も増して人間関係も円滑になります。
更に、ママの母乳の出も良くなるという嬉しい効果まであります。
笑いヨガというものが健康にとても良いという話を聞いた事はないでしょうか?
人は笑う事で緊張がほぐれ、ストレス解消になり、免疫機能もアップします。
赤ちゃんの笑顔だけではなく、笑うことそのものが人にとってはとても意味のある行為なのです。
笑顔が多い赤ちゃんはストレスに強くなる
よく笑う赤ちゃんは、周りの大人もいつも笑っている事が多いため精神的に強くなると言われています。
辛い事があっても、笑顔で辛抱強く乗り切る事ができて逆境でも挫けなくなります。
創造性も豊かで頭の回転も早いため、社会に出てからは仕事の効率も良いと考えられています。
笑顔の多い赤ちゃんは頭が良い?
笑顔の多い赤ちゃんは、脳のシナプスが多いため頭の回転が早く、頭が良いと言われています。
赤ちゃんの脳内には約140億もの神経細胞のニューロンが独立して存在していますが、情報を処理するためにはシナプスで接続しなくてはいけません。
生後間もない赤ちゃんには、シナプスはほとんど存在しません。
子供は笑う事によって、脳の神経細胞同士の繋ぎ目であるシナプスを増やしていきます。
シナプスがたくさん増える事によって言葉を話せるようになるため、よく笑う赤ちゃんは言葉を喋れるようになるのも早いようです。
シナプスの発達は2歳頃までがめざましいと言われており、2歳までの関わり方が大切です。
シナプスを増やすために
- 赤ちゃんの訴えにきちんと耳を傾けましょう。
- 赤ちゃんの目を見て、笑顔でたくさん話しかけてあげましょう。
- 早寝早起きをして、規則正しい生活をしましょう。
- 家庭内が円満になるよう努力しましょう。
- 自然とふれあい、水族館や博物館など五感を刺激するような関わり方をしましょう。
- 子供が興味を示した事は体験させてあげましょう。
シナプスの増加は6歳頃までが限度と言われており、お喋りや運動、睡眠をしっかりと取ることでシナプスは増加していきます。
周りの大人がよく話しかけ、体を動かす機会を作って日中は元気に過ごし、夜間はしっかりと熟睡して睡眠時間を確保するという、基本的な生活習慣をきちんとしているだけでシナプスは増えるのです。
そして、赤ちゃんはとても敏感です。
親の行動や表情をよく見ていますので、笑顔の多い赤ちゃんにするためには、親である自分たちも笑顔で過ごせるようになる事が求められます。
また、赤ちゃんが何か要求しても応えないことを続けていると、ママが赤ちゃんの要求にずっと応えなかったり、語り掛けをあまりしなかったり、黙々とスマホを見て赤ちゃんを見なかったりする状態が続くと、何も訴えない赤ちゃんになってしまいます。
何も訴えない赤ちゃんはサイレントベビーと呼ばれ、空腹感やオムツが濡れているなどの不快感も訴えず、笑顔もほとんどなく表情が乏しくなると言われています。
赤ちゃんが何か声を発したら、しっかり反応を返す事で赤ちゃんの脳は発達していきます。
「あー」「うー」と赤ちゃんが声を発するようになったら、ぜひ関わりを多く持つようにして下さい。
赤ちゃんの目を見て笑顔を見せたり、声のオウム返しをしたりするだけでも十分です。
赤ちゃんがかわいい笑顔になる8つの遊びやコツ
ママやパパと遊んでいると赤ちゃんが見せてくれる笑顔に「笑顔になった!」と嬉しくなって、同じ遊びをしていると今度は急に無表情になる。赤ちゃんの表情はくるくる変わります。
赤ちゃんを笑顔にするために、どんな遊びをしたら良いのか悩みますよね。
そこで、先輩ママ達の「こんな遊びで赤ちゃんが笑顔になるよ」という代表的な遊びを集めてみました。
我が家で反応の良かった遊びも交えて8つ紹介します。
いないいないばぁ
日本だけではなく、アメリカやフランス、ドイツやフィリピンなど世界各国で愛されている遊びです。
「いないいない・・・」と言いながら自分の手や物で顔を隠して、「ばぁ」と言いながら顔を見せる手軽な遊びですが、赤ちゃんの言葉を引き出したり、社会性を育んだりする効果があります。
赤ちゃんは、いないいないばぁが大好きです。
大好きなママやパパの顔が隠れてしまうと不安を感じてしまいますが、また顔が見えると嬉しくて堪らずに笑顔になります。
人形などを使った「いないいないばぁ」もありますが、物を使うよりも人がやってくれる「いないいないばぁ」の方が赤ちゃんは笑顔になりやすいそうです。
体をくすぐる
赤ちゃんは、くすぐられるのも大好きです。
頬や首、お腹や脇、足など、ママやパパはいろいろな場所をくすぐっていると思います。
我が家では、「アリさん遊び」という遊びになっていて、「アリさんがとことこ・・・」と言いながら人差し指と中指を交互に動かして、足や手の先からお腹のあたりを目指して移動していきます。
お腹や胸のあたりに来たら「こちょこちょ」と言いながらくすぐると、息子はニコニコとよく笑います。
長男もこの遊びが好きで、よく笑っていました。
後に知った事ですが、赤ちゃんはくすぐったくて笑っているわけではなく、身近な誰かがくすぐっているという行為そのものに対して笑っているそうです。
赤ちゃんを笑わせようと必死になっているママやパパの姿そのものが、赤ちゃんにとっては面白いことのようです。
こちょこちょは、赤ちゃんのぐずりにも効果があり、脳の発達を促し親子の絆を深めます。
赤ちゃんのお腹に息を吹きかける
赤ちゃんのお腹にママやパパが口をつけて、息を吹きかけるようにすると赤ちゃんは大爆笑です。
お腹にチュッとしたり、口をつけたままパクパクと食べる真似をしてみたり、我が子に合うやり方を見つけて下さい。
我が家の長男の場合は、お腹の近くで息をふーっと吹きかけるだけで大爆笑をしていました。
成長した今でもくすぐったがりです。
次男はまだ4ヶ月なので爆笑はしていませんが、お腹に口をつけてパクパクする動きが面白いようで、よく笑っています。
鏡を見せる
そして我が家で不動の人気を誇る遊びが、鏡遊びです。
赤ちゃんの目の前に鏡を置いて、ママやパパが鏡に映った赤ちゃんに向かって笑顔を見せるだけの簡単な遊びですが、なぜか息子たちには大うけです。
生後3ヶ月あたりから、次男はこの遊びで声を出して笑うようになりました。
歌いながら手遊び
また、童謡などの歌を歌いながら赤ちゃんの手足を動かす遊びも好評です。
いろいろやってみましたが、毎回必ず笑顔になるのが「ひげ爺さん」の歌でした。
振り付けは適当ですが、歌いながら手足を動かしてあげると多少機嫌が悪くても笑顔になります。
髪の生え際に息を吹きかける<我が家のオリジナル?>
赤ちゃんと正面から向き合って、髪の生え際あたりをめがけて息を吹きかけたり、うちわで風を送ったりします。
次男はこれだけで笑顔になります。
顔を触る<我が家のオリジナル?>
頬をすりすりと撫でたり、下唇の下あたりをくすぐったりするのも息子たちには人気の遊びです。
肌と肌が触れ合うためか、いつも笑顔を見せてくれます。
ママの上でうつ伏せ<我が家のオリジナル?>
首がしっかり座っている赤ちゃんは、ママの胸の上でうつ伏せにするのもおすすめです。
ママが赤ちゃんを抱っこしたまま仰向けになり、赤ちゃんの手を力が入れやすい位置に置きます。
枕やクッションをママの頭の下に置いて、ママの頭を少し高くすれば準備完了です。
すると、赤ちゃんが自分で頭を持ち上げるので、ママと至近距離で目が合い笑顔になります。
うつ伏せで頭を持ち上げられなかったり、嫌がったりする赤ちゃんには不向きです。
そして、赤ちゃんが笑ったからといって、長時間やり続けたり激しくくすぐったりするのは逆効果です。
以前、まだ育児に不慣れなパパが子供をくすぐりすぎて大泣きさせてしまったという失敗談が我が家にはあります。
遊ぶ時は休憩をしながら適度な時間で遊ぶようにしましょう。
赤ちゃんを笑顔にするためのコツ
- ママやパパが笑顔で一緒に楽しむ。
- 赤ちゃんの笑いのツボを探す。
- 赤ちゃんが何かに集中している時は避ける。
赤ちゃんをただ笑わせようとしても、案外うまくいかない事が多いです。
ママやパパも一緒になって笑顔で楽しむことが、赤ちゃんを笑顔にする一番のコツなのです。
赤ちゃんによっても、月齢によっても笑いのツボは異なります。
たくさんスキンシップをとりながら、笑いのツボを探してみて下さい。
また、ほかの事に集中している時に笑わせようとすると不機嫌になりますので、様子をみながら遊ぶようにして下さい。
赤ちゃんは、ただやみくもに笑っている訳ではありません。
信頼する誰かと一緒にいるときにその人がしてくれた事に対して笑っている、という事が赤ちゃんの研究結果から分かっています。
自分が楽しくて笑うというより、信頼する人が楽しそうにしている事で、赤ちゃんは笑うのです。
誰かが悲しんでいる時や、誰かが転んでしまった時、それを見ていた赤ちゃんは笑いません。
誰かが喜んでいる時や嬉しい時、楽しい時には赤ちゃんは笑顔になります。
赤ちゃんは私達が考えている以上に、多くの事を学習しています。
赤ちゃんと一緒に楽しむと自然とできる
赤ちゃんと一緒に遊ぼうとすると、ついつい笑顔にさせたくて肩の力が入りすぎてしまいます。
そして赤ちゃんを楽しませようという気持ちが強くなりすぎると、気持ちに余裕がなくなってママの顔が怖くなりがちです。
ママも赤ちゃんも一緒に楽しんで、ついでに笑顔を見る事が出来たらラッキーくらいに構えていた方が自然体で接する事が出来ます。
息子たちの育児から学んだこと
次男がよく笑顔を見せてくれるようになってから気付いたのですが、赤ちゃんを笑顔にするためには目が合った時に笑顔で笑いかけてあげるだけでも効果があるということです。
長男が赤ちゃんだった頃には、「何とかして遊んであげなくては」という気持ちが強く、接している時は常に笑顔でいるように気を付けていました。
でも、次男が生まれてからは遊びのためのまとまった時間を確保する事が難しく、あまり遊べないかわりに目が合えば笑いかけたり、話しかけたりするようにしていました。
家事をしている時にもお互いの顔が見えるようにして、赤ちゃんが声を発したら顔を見て応えるという事を続けていたら、生後3ヶ月になる前からよく笑顔を見せてくれるようになりました。
空いた時間は一緒に遊ぶようにしていますが、今では目が合うだけで次男は声を出して笑っています。
笑ってくれると私も嬉しくて笑顔になり、それを見た次男は更に笑顔を見せてくれます。
ちゃんと遊んであげられなくて申し訳ないという気持ちもありますが、次男はほかの人にもたくさん笑顔を見せてくれる愛想の良い子になりました。
長男にも、「赤ちゃんと接する時は笑顔でたくさん話しかけてあげるといいよ」と伝えてあったのも良かったのかもしれません。
おもちゃや特別な遊びより、ママの笑顔が赤ちゃんにとっては1番嬉しいものなのかもしれません。
それに気付いたら、肩の力が抜けてイライラすることも減りました。
私自身もリラックスして育児が出来るようになったように感じます。
ママやパパの笑顔は赤ちゃんを笑顔にする
これまでお伝えしてきたように、赤ちゃんの時期は脳が急速に発達する大切な時期です。
赤ちゃんにとって、ママやパパの笑顔は魔法のようなものです。
ママやパパが笑顔でいるだけで赤ちゃんも笑顔になり、脳の発達も促され言葉の発達にも良い影響を及ぼします。
まだあまり反応のない赤ちゃんでも大丈夫です。
今は反応が少なくても、ママやパパの語りかけや笑顔は赤ちゃんに届いています。
笑顔の魔法で、ママもパパも赤ちゃんも楽しく過ごせると良いですね。
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