赤ちゃんの頭というと、小さくて丸くて可愛い形というイメージを抱きがちですが、抱っこしてみると「頭の形が悪い気がする」と思うママもいるのではないでしょうか?
私も出産後に次男との初対面で「何か仙人みたいに頭が長い!」と軽い衝撃を受けました。
鉗子(かんし)で引っ張り出したせいかと思い、思わず先生に「この子の頭の形は大丈夫ですか?」と聞いたほどです。
先生からは、「産道を通って生まれてくる赤ちゃんは頭が長くなるけど、治るから大丈夫ですよ」と笑われましたが、気になるものは気になります!
そこで、赤ちゃんの頭が気になるママさんたちに向けて、絶壁頭やいびつな形の頭は治るのか、矯正できれいになるのかを紹介します。
赤ちゃんの頭の形はなぜ変形する?
赤ちゃんの頭が変形したり、いびつになったりするのは3つの理由が考えられます。
1つ目は、双子や三つ子などの多胎児で子宮内のスペースが狭い、または出産時に吸引や鉗子分娩などで頭を引っ張った事による影響が挙げられます。
2つ目は、赤ちゃんの向き癖による頭の変形です。
赤ちゃんは生後数ヶ月までの間は、頭頂部は押すとへこみ、頭全体の骨も柔らかいです。
そして、赤ちゃんが特定の方向を向いてばかりいると、頭の重みで頭の形が変形してしまいます。
3つ目は、遺伝によるものです。
頭の形は遺伝が関係している場合もありますが、ママがケアを行う事で改善できる場合もあります。
赤ちゃんの頭の形による分類
赤ちゃんの頭は、形によって主に3つのタイプに分類されます。
斜頭症
後頭部の片側が平らになっているタイプで、主に向き癖によってなりやすいと言われています。
短頭症
後頭部全体が平らになる、いわゆる「絶壁頭」タイプです。
鼻の先端から後頭部までの距離が短くなり、仰向けの時間が長い事が影響していると考えられます。
長頭症
頭を両側からプレスしたように、側頭部が平らになり、頭の幅が短いタイプです。横向きでばかり寝ている赤ちゃんによく見られると言われています。
新生児集中治療室(NICU)での治療経験がある赤ちゃんは、チューブ類を取り付けるため横向きに寝かされる事が多く、長頭になりやすいようです。
赤ちゃんの頭の形による病気の可能性は?
頭の形が変形してしまう病気もありますが、過度に心配しすぎるのは良くありません。
目安としては、頭囲が母子手帳に記載されている成長曲線の標準範囲内であれば大丈夫です。
数ヶ月で急激に標準範囲内からはみ出してしまったり、生まれた時からの頭の変形が成長と共に悪化したりする時には、病気の可能性がありますので、医療機関で相談してみましょう。
赤ちゃんの頭の形は矯正できる?
ほとんどの赤ちゃんは、成長すると自然と頭の形が治っていきます。
とはいえ、頭がいびつだと「寝かせてばかり」「同じ方向ばかりに寝かせたせい」と、周りから言われて落ち込んでしまう事もあります。
頭の形に関しては、病気のもの以外は脳の発達にも影響なく、医学的な治療は行われません。
ただ、あまりにも頭の形が悪すぎる、変形の度合いが大きすぎる時などは、ヘルメットを用いて矯正を行う事もあります。
ヘルメットでの矯正を行う場合は、頭がやわらかい生後半年頃までに開始する必要があり、装着期間は平均で5ヶ月間です。
常にヘルメットをかぶり続けるのは赤ちゃんにとっても負担がかかり、頭が蒸れて皮膚トラブルが起きる可能性もあります。
保険外診療となるため、メリットとデメリットをよく検討した上で判断しましょう。
気になるようであれば、検診時などに相談してみると良いと思います。
赤ちゃんの頭の形が矯正できるのはいつまで?
赤ちゃんの頭の骨には繋ぎ目があり、押すとペコペコとへこむ場所があり、頭全体が柔らかいですが、生後7ヶ月頃から頭の骨が少しずつ固くなってきます。
頭の形を矯正するのであれば、遅くとも生後6ヶ月頃までに取り組んだ方が良いとされています。
何もしなくても、脳の発達に伴い、自然と頭も丸くなっていく場合が多いのですが、向き癖が原因で頭が変形している場合は、骨格を歪めてしまう可能性がありますので、向き癖を改善するように取り組むと良いようです。
頭のゆがみは、頭痛や肩こり、運動能力の遅れを引き起こす場合があります。
気になるママは、早めにケアに取り組んであげましょう。
赤ちゃんの頭の形を綺麗にする5つの方法
赤ちゃんは頭が重いため、頭部の同じ場所に重みがかかり続ける事で変形を招いてしまいます。
向き癖を改善するため、下記のような方法が考えられます。
同じ方向でばかり寝かせない
もっとも基本的な事ですが、同じ向きでばかり寝かせないように、左右交互で寝かせるなどの工夫が必要です。
すぐにコロンと向きを変えてしまう場合には、背中にクッションや丸めたバスタオルを置いて支えましょう。
ドーナツ型クッションを使用する
ドーナツ型クッションにも、いろいろなタイプの商品があります。
頭の柔らかい時に使用するものや、頭の骨が完全に固まる2.3歳頃を見越して自然に頭の形を矯正できる枕など、高さや適応月齢を確認して使用します。
深めのドーナツ型クッションだと、横を向いた時に鼻や口が塞がり窒息の危険性もあるため、使用時は目を離さないようにしましょう。
向き癖防止クッションを使用する
市販の向き癖防止クッションを使用するのも方法の1つで、硬さや素材もいろいろなものがあります。
生後3ヶ月頃までに矯正を開始した場合は1ヶ月程度、生後6ヶ月頃までに開始した場合は2,3ヶ月程度かかる場合があります。
寝返りをするようになり、動きが激しくなってくるとクッションの使用は難しくなってきます。
向いて欲しい方向から声をかける
赤ちゃんに向いて欲しい方向から声をかけたり、お気に入りのおもちゃを置いたりします。
赤ちゃんの気を引くような、光や音が出るおもちゃを置いても良いです。
授乳や添い乳も、同じ方向ばかりにならないようにしましょう。
うつぶせになる時間を設ける
赤ちゃんが首を持ち上げられるようになったら、硬めのマットレスや布団の上で、時々うつぶせにしてみるのも方法の1つです。
頭に重みがかかり続けるのを防ぐために、うつぶせで遊ばせます。
ただし、自分で首を持ち上げる事が出来なかったり、うつ伏せのまま寝かせたりしてしまうと、乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険性がありますので、うつ伏せの時には目を離さないようにしましょう。
赤ちゃんの頭の形は気にしすぎない
頭の形は一生のものなので、出来ることならきれいな頭の形にしてあげたいですよね。
私自身も絶壁頭で、子供も何となく仰向けで寝かせている事が多いので、少し気になっています。
成長や時間の経過と共に治っていくとはいえ、頭のゆがみから体のバランスが悪くなったり、体調不良を引き起こしたりする可能性があるなら、早めにケアを開始したいなと思っています。
ケアをする事で頭の形が改善したという赤ちゃんはたくさんいますし、何もしなくても自然ときれいになったという赤ちゃんもいます。
どちらが良いともいませんが、気がかりな事があると子育てを楽しめなくなってしまいます。
赤ちゃんは日々成長していきますので、赤ちゃんとの時間の一瞬一瞬が、今だけの大切な宝物です。
頭の形を気にしすぎて大事な成長の場面を見逃す事がないように、楽しみながら子育てをしていきましょう。
コメント