私の娘は乳児湿疹がひどく、周りの赤ちゃんと比べて乳児湿疹が長引いていたことから、「もしかしてアトピー性皮膚炎かも?」と思っていました。
娘はまだアトピー性皮膚炎とは診断が付いていませんが、他の肌トラブルと違ってすぐに治るようなものでもなく、長く付き合っていかなくてはならない病気だし、アトピー性皮膚炎と確定したら不安だし、申し訳ない気持ちにもなってしまいます。
実際「うちの子アトピー性皮膚炎なんじゃないかな」と不安になるお母さんも多いのではないでしょうか。
アトピー性皮膚炎は他の乳児湿疹と比べて、いくつか異なる特徴があります。また、対策をしっかりと継続することで症状を和らげたり、治ったりすることもあります。アトピー性皮膚炎のケアの方法をまとめました。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎とは?
乳児湿疹と呼ばれる赤ちゃんの肌トラブルの1つにアトピー性皮膚炎も含まれます。
中でも多くの赤ちゃんが経験する新生児ニキビやあせもなどの乳児湿疹とは違い、アレルギーが原因となって起こる場合が多いのが、アトピー性皮膚炎の特徴です。
色々な肌トラブルを経験しやすい赤ちゃんにとって、アトピー性皮膚炎と診断することは難しく、生後6ヶ月以降にアトピー性皮膚炎と診断される場合がほとんどです。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎は遺伝する?
「アトピー性皮膚炎は遺伝する」という話を耳にしたことがある人は多いと思います。
アトピー体質の遺伝子は赤ちゃんに遺伝しやすい遺伝子だということで、赤ちゃんの両親のどちらかがアトピー体質の場合は30%、両親ともにアトピー体質の場合は50%、赤ちゃんがアトピー体質になる可能性があると言われています。
しかし、アトピー体質の遺伝は色々な条件が複雑に交わって起こるもので、専門家でも赤ちゃんがアトピー性皮膚炎になった場合、遺伝によるものかどうかは意見が分かれることのようです。
そして、アトピー体質だったとしても必ずしもアトピー性皮膚炎になるとは限りません。両親や祖父母など親戚にアトピー体質の人がいなくても、赤ちゃんがアトピー性皮膚炎になる場合もあります。
そして、妊娠中にある程度対策出来る場合もあります。
- 和食中心の食生活を心掛ける
- 油っぽい食べ物を控える
- 暴飲暴食を控える
上記のような点に気を付け、腸内環境を整えることが大切といわれています。
そして、
- ストレスを貯め過ぎない
- 心配しすぎない
ということも大事なことです。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の症状
日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」では、以下のような症状があるかをみてアトピー性皮膚炎と診断しています。
- 湿疹
- 痒みがある
- 湿疹は顔や頭から始まり、体幹や四肢に降下していく
- 乳児は2ヶ月以上湿疹が続く
とはいっても、乳児湿疹でも湿疹が出るし2ヶ月以上続くこともあります。ですが、乳児湿疹とアトピー性皮膚炎には違いがあります。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎と乳児湿疹の違い
乳児湿疹とは、新生児ニキビや脂漏性湿疹やあせもなど、皮膚の機能が未熟な赤ちゃんだからこそ見られる湿疹の総称なので、この中にアトピー性皮膚炎も含まれます。
新生児ニキビや脂漏性湿疹は、ホルモンの影響で皮脂分泌が盛んに行われることで出来る湿疹です。皮脂分泌も落ち着き、皮膚の機能も整ってくる生後半年頃には落ち着いてきて、1歳になる頃には治まっている赤ちゃんが多いです。
それに対してアトピー性皮膚炎はアレルギーが原因となって起こる場合が多く、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら湿疹が続くことが特徴です。他の湿疹と比べて、湿疹は広範囲にわたり、痒みが強い場合には、赤ちゃんがひっかくこともあります。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の原因
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の原因は、アレルギーがきっかけとなっている場合が多いです。
- 食べ物のアレルギー
- ダニやハウスダストなどの環境アレルギー
乳児湿疹の症状がひどい赤ちゃんは離乳食が始まる前に1度病院を受診して、アレルギーの相談をしてみると安心出来ます。
それ以外には
- 肌が不衛生な状態
- ストレス
- 乾燥肌
などがアトピー性皮膚炎の原因となる場合があります。
直接の原因になることは稀と言われていますが、出産時に使用した陣痛促進剤など薬剤の影響を受ける場合があるとも言われています。
体内で受けた薬剤の影響を、生まれてから排出しようとする動きとして、アトピー性皮膚炎が出る可能性があるというものですが、薬剤の使用は医師の判断で行うもので、安全なお産にするために必要不可欠なものです。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の治し方
アトピー性皮膚炎は、お母さんの対策で治したり、悪化したりさせないことが出来ます。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の原因となっているものを考えて、対策を行いましょう。
皮膚を清潔にしたり、保湿したりスキンケア対策
お風呂でアトピー性皮膚炎対策をする
湿疹が出ている場所もしっかりと泡だてた石鹸で、綺麗に洗います。
すすぎ残しがないように丁寧に洗い流し、お風呂上がりは水分が残らないように拭きとりましょう。
お風呂の温度は38度~40度程度にします。
身体が温まりすぎると、痒みが増す原因にもなります。
アトピー性皮膚炎は副腎皮膚ホルモンの分泌不足で悪化するともいわれ、このホルモン分泌を促すためには暑さや寒さの刺激を受けることが効果的です。
乳児期にアトピー性皮膚炎と診断された私は、母にお風呂で冷たいシャワーと温かいお風呂を交互に入れられていたこともあるそうです。その効果かどうかはわかりませんが、幼少期の写真を見てもアトピー性皮膚炎と明らかにわかるものは、ほとんどありません。
小さな赤ちゃんに水シャワーをするわけにはいきませんが、この入浴法を娘の皮膚科の主治医の先生に話たところ、温かいタオルと冷たいタオルを交互に足先を包むことは、体の免疫力を上げるきっかけにもなり、免疫力が上がればアトピー性皮膚炎を治すきっかけにもなるとアドバイスを貰いました。
清潔な皮膚を保つためのポイント
赤ちゃんの汗やよだれも、肌の刺激になって、アトピー性皮膚炎を悪化させる原因になる場合があります。
汗やよだれで汚れたらこまめに拭きとったり、着替えたりするようにします。
赤ちゃんが身につけるものは締めつけがすくないものにし、素材にこだわることもアトピー性皮膚炎の対策になります。
綿は通気性もよく、肌あたりも滑らかで赤ちゃんのお肌に優しい素材です。
保湿ケアのコツ
アトピー性皮膚炎の赤ちゃんは、肌の機能も弱っていたり、乾燥が原因で悪化したりすることもあるので、しっかりと保湿を行うことは大切です。
ただ、保湿をしっかりと行うことは大事なことですが、赤ちゃんの肌質を見極めた保湿ケアを行うようにしましょう。
保湿のために使用するものも、季節や乾燥具合でオイルやクリーム・ローションなど使い分けることもポイントです。
赤ちゃん自身の免疫力を高める(体験談:塩スプレー)
私の娘が受診している皮膚科の先生からは、「思い切って保湿をやめてみる」という提案もありました。これは本来赤ちゃんが持っている治癒力を高めることで、肌の機能を改善させるというものです。徹底する場合は、お風呂に入れることも控えるそうです。
お風呂を控えたり、保湿をやめたり、そこまでやることは心配だったので相談したところ、塩スプレーがいいと作り方を教えてもらいました。
塩スプレーの作り方
出来るだけ良質な海塩を水に溶かして生理食塩水(水に対して1%の塩分濃度)を作り、それをスプレーボトルに入れます。
保湿剤を使用する変わりにこの塩スプレーを拭き替えて使用します。
アトピー性皮膚炎の人が海に入ると症状が治まることもあり、塩は皮膚の殺菌効果と保湿効果の両方を備えた万能食品です。
実際、娘にはこの塩スプレーでの保湿方法があっているようで、色々な保湿剤を使用していたときよりも肌の状態が落ち着いています。
ダニや食物アレルギーを避ける環境対策
アトピー性皮膚炎はダニやハウスダスト、食品などのアレルギーが関係している場合があります。
このようなアレルギー要因となるものが原因でアレルギーが発症した場合、原因となっているものを体内に出来るだけ摂りこまないようにすることで、抗体が減少していき、アレルギーが出にくくなります。
そのためにも、ダニや食物アレルギーを避ける環境作りが必要になっていきます。
- 床は掃除しやすいフローリングに替える
- 寝具はこまめに洗濯したり、干したりして清潔な状態を保つ
- ペットの飼育に注意する
- 室内の湿度を保つ(60%以下に保つとダニの繁殖を抑えられる)
アトピー性皮膚炎は免疫力の低下が発症や悪化の原因になっています。免疫力を上げるためには、毎日の食べ物にも少し工夫すると効果的です。
また、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんは、症状が出る原因として食物アレルギーが関係している場合も多いです。
アトピー性皮膚炎の赤ちゃんは腸が敏感な状態なので、離乳食の開始も慌てずゆっくり赤ちゃんの様子を見て始めましょう。
- アレルギー症状を軽減する食物を摂る(発酵食品が効果的)
- 油の摂取に注意する(授乳中の場合はお母さんが注意する)
- 離乳食の開始はゆっくり始める
ステロイドによる薬対策
ステロイドと聞くと副作用を心配して毛嫌いする人も多いと思います。
実際に、ステロイドを使用している間は症状が落ち着いていても、使用をやめたとたんに症状が強く出ることや、どんどん強いステロイドを使用しないと症状が落ち着かなくなる場合も副作用として考えられます。
しかし、アトピー性皮膚炎の治療では赤ちゃんにもステロイド剤を使用することが一般的です。
病院では赤ちゃんの肌にあったもので、そのようなことも考慮して処方されるので、処方された際は使用する期間や塗り方など注意を守って使用するようにしましょう。
根気よく続けることが治す近道
アトピー性皮膚炎の特徴として、良くなったり、悪くなったりを繰り返すことがあります。
色々な対策を行って良くなっても、乾燥している時期に入ると一気に悪くなることもあり、気が滅入ることもあるかもしれません。
ですが、赤ちゃん自信の免疫や肌の機能も段々強くなっていきます。諦めず、根気よく続けることがアトピー性皮膚炎を治す近道になります。
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