赤ちゃんのお肌はサラサラで柔らかく、とても敏感でデリケートです。
大人よりも皮膚が薄く、些細な刺激にも過剰に反応して炎症を起こす場合もあります。
そんな敏感肌の赤ちゃんの衣類を洗濯する時、大人と一緒に洗っても良いのか、別々に分けた方が良いのか、洗濯の仕方に悩んでしまいますよね。
洗濯用の洗剤や柔軟剤は使用しても良いのか、汚れがひどい時はどうしたら良いのかなど、考え出したらキリが無く、悩みは尽きません。
そこで、今回は赤ちゃんの衣類と大人の衣類は何故分けた方が良いのか、洗濯洗剤はどうしたら良いかについてご紹介していきます。
赤ちゃんと大人の洗濯洗剤の違い
大人の衣類を洗濯する時に使用する洗剤には、蛍光増白剤や香料が含まれているものが多くあります。
それらは、衣類を白く仕上げて良い香りを付与してくれますが、肌の弱い赤ちゃんや敏感肌の人などには刺激が強すぎて、肌トラブルの原因となる場合もあります。
まず、日頃使用している洗濯洗剤にはどのような成分が含まれているのかをご紹介します。
一般的な洗濯洗剤に含まれる主な成分
蛍光増白剤
紫外線を吸収して目に見える青白い光に変化させることで、衣類の白さを増強させる染料です。
市販されている白色系の衣類には製造段階で蛍光剤が使用されている事が多いですが、生成りやパステルカラーの製品に使用すると変色する場合があります。
香料
最近の洗濯洗剤には、アロマを思わせる良い香りを付与しているものが多く販売されています。
良い香りがリラックス効果を与えてくれる反面、匂いが強すぎて気分を害するケースもあります。
分散剤
洗濯することで洗濯水に溶けだした汚れを分散させ、再び繊維に付着することを防ぐ成分です。
酵素
洗剤の主成分である界面活性剤の働きを助け、繊維の奥まで入り込んだ汚れを落としやすくするという洗浄力を高める作用があります。
その反面、製造工程などで常に酵素を取り込み続けると健康被害が発生するリスクがあります。
水軟化剤
洗濯水に含まれる金属イオンをとらえることで、水の硬度を下げて洗浄力が低下する事を防ぐ働きがあります。
界面活性剤
水と油のように、本来は混ざり合わない物質が混ざり合うようにする働きを持つ成分で、汚れを落とす主成分です。
汚れと繊維の間に水を浸透させやすく、汚れを水に混ざりやすくすることで汚れを繊維からはがし、再び繊維に汚れが付着しないようにする働きがあります。
肌へ触れた時の刺激が強いですが、十分にすすげば衣類に残りにくいと言われています。
自然界の中に存在する天然物質を使用した界面活性剤と、石鹸系・石油系・アミノ酸系など、人間の手によって科学的な手法で生み出された合成界面活性剤があります。
アルカリ剤
適度なアルカリ性を保つことで酸性成分を中和したり、油汚れを取り除きやすくしたりする働きがあります。
漂白剤
汚れや色素などを科学的に分解する働きをします。塩素系漂白剤は色落ちや生地が傷むため、洗濯洗剤には色や柄のある衣類にも使用できる酸素系漂白剤が用いられます。
柔軟剤
電気の性質を利用して洗濯物を静電気が発生しにくい、肌触りの良い柔らかな仕上がりにしてくれます。
香料成分を配合している商品も増えています。
家庭用品品質表示法では、洗剤に占める成分含有量の割合が1%未満のものについては表示義務がないとされていますが、酵素と蛍光増白剤は1%未満でも表示の義務があります。
洗濯洗剤には、汚れをしっかりと落とすために様々な成分が含まれています。
皮膚トラブルが特にない大人にとっては、洗濯洗剤の成分によって皮膚に炎症などの影響が及ぶことはあまりありません。
ですが、肌のバリアが薄い赤ちゃんや敏感肌の人、アトピーや皮膚疾患を持っている人にとっては、少しの刺激で大きな炎症を引き起こす場合もあるのです。
赤ちゃんだけでなく、皮膚疾患やアトピーを持つ人にとっても酵素や蛍光増白剤は肌トラブルの原因になります。
赤ちゃん専用の洗濯洗剤がいい理由
衣類は赤ちゃんの肌に直接触れるものですので、洗剤にも気を遣っているママが多いと思いますが、赤ちゃんは自分の服の袖やスタイ、布団やママの服など、口に入れられるものは何でも舐めたり、吸ったりするため、布地に残った洗剤の成分が口の中に入ってしまう可能性もあります。
洗濯洗剤の成分は、どんなにしっかりすすいでも100%は取り除くことが出来ず、衣類に洗剤の成分が残っています。
肌トラブルはもちろんのこと、口から取り入れることで健康を損なう可能性のある成分は、なるべく洗剤に使用していない方が安心出来ます。
赤ちゃんが身に付けるものや、口に入れる可能性がある寝具やママの衣類なども、赤ちゃん用の洗濯洗剤で洗う方が良いようです。
赤ちゃんには避けた方が良い成分
赤ちゃんにとって特に好ましくない洗剤の成分は、合成界面活性剤と蛍光増白剤、合成香料、抗菌剤です。
合成界面活性剤は赤ちゃん用の洗濯洗剤にも含まれていますが、一般的な洗剤と比べると赤ちゃん用の洗剤は合成界面活性剤の含有量が少なくなっています。
合成香料は衣類に良い香りを与えてくれますが、なかにはアトピーや喘息などの健康状態に影響を与えるものもあります。
合成香料の種類は3000以上あるとされており、消費者である私達が全てを把握することは出来ません。
香料自体が赤ちゃんには必要ないものですので、避けた方が無難です。
デリケートな赤ちゃんを守るためには、不安な成分が含まれていないものを選ぶと良いでしょう。
赤ちゃん専用の洗剤比較
肌が敏感な赤ちゃんでも安心して使用できる洗剤をいくつか紹介します。
アラウベビー 洗濯用せっけん
合成界面活性剤や蛍光剤、漂白剤、香料など不使用のベビー用洗濯洗剤です。
植物を原料とした無添加洗剤で、天然ハーブオイルを配合しており、手洗いにも役立ちます。
アラウの洗濯用仕上げリンスと併用することで、更に満足度の高い仕上がりとなります。
ピジョン ベビーランドリーピュア
蛍光剤、香料、漂白剤、着色料、リンなど無添加で、赤ちゃんの肌への負担が少ない洗剤です。
天然植物成分に由来する柔軟成分を配合しており、赤ちゃんに多いミルクやウンチの汚れもしっかりと落とす事ができます。
赤ちゃんの衣類の水通しにも使用でき、洗剤残りの心配もなく皮膚への安全性が確認されています。
パックスベビー 洗濯せっけん
合成界面活性剤や蛍光剤、リン酸塩、着色料、酵素など無添加で、高濃度純の石けん洗浄成分に洗浄補助剤のダブル効果で赤ちゃんの衣類をやさしく仕上げてくれます。
マカダミアナッツ油などの植物油脂を原料としているため、肌への負担も少ない洗濯用せっけんです。
赤ちゃんにも大人にも使えるおすすめの洗濯洗剤
赤ちゃん専用ではないものの、赤ちゃんの衣類にも使用することが出来るおすすめの洗剤を紹介します。
SOMALI(ソマリ)洗濯用液体石けん
合成界面活性剤、合成着色料、合成香料、鉱物油、防腐剤の5つは使用していません。
植物オイル100%の純石鹸から作られている洗濯石鹸で、赤ちゃんや敏感肌の人、アトピーの人でも使用する事が出来ます。
香りは天然のオレンジオイルのみで、しっかりした洗浄力を持ちながら衣類への洗剤残りも少なく、肌への負担も少なくなるよう配慮されています。
さらさ 洗濯洗剤
蛍光剤、漂白剤、着色料が無添加で、汚れを落とす洗浄力を維持しながら肌への負担を軽減しています。
ミカンやレモンの皮などに含まれるクエン酸を配合することで、洗浄の邪魔となる金属イオンを除去して汚れを落とします。
ウルトラアタックネオ
洗浄時間5分、すすぎ1回でOKの節約、節水になる洗濯洗剤です。
濃縮タイプの液体洗剤で、蛍光剤は使用していません。
汚れがひどい場所には、洗剤を直接塗るだけで揉み洗いも不要です。
赤ちゃんの洗濯物に柔軟剤は使用してもいいのか?
最近の柔軟剤は種類も多く、さまざまな香りが付与されていて赤ちゃんに柔軟剤を使っても良いのか悩んでしまいます。
柔軟剤には、衣類を柔らかく仕上げる界面活性剤が含まれていますが、各種の基準をクリアしているため赤ちゃんにも使用する事が出来ます。
柔軟剤を使用することで毛玉の発生や生地が傷むことを防止出来ますし、静電気が発生しにくく、肌への刺激も少なく肌触りの良い仕上がりになります。
ただ、全ての赤ちゃんに肌荒れなどのトラブルが起きない訳ではありません。
柔軟剤を使用することで、赤ちゃんによってはアトピーや湿疹が出来る事もあります。
柔軟剤によって、多かれ少なかれ相性がありますので、それを考慮した上で柔軟剤を選定するようにしましょう。
大人の衣類に柔軟剤を使用していれば、パパやママの衣類には残留成分が付着しています。
赤ちゃんがパパやママに抱っこされて密着していても皮膚トラブルが起きていなければ、赤ちゃんに柔軟剤を使用しても大丈夫だという目安になります。
また、適量以上の柔軟剤を使用し続ける事で吸水性が悪くなったり、手触りなどが悪くなったりする事もあります。
多すぎた柔軟剤は洗濯洗剤で落とすことが出来るため、衣類の質が変化した時には質が回復するまでは柔軟剤の使用を中止します。
柔軟剤を選定する時には、パッケージに赤ちゃんの衣類にも使用できると記載されているものを選ぶと良いでしょう。
また、赤ちゃんの衣類に強い香りは必要ありませんので、香りの強すぎる柔軟剤は避けた方が良いです。
赤ちゃんの衣類に初めて柔軟剤を使用する時は連続して使用せず、赤ちゃんの様子を確認しながら使用するようにしましょう。
パッケージに記載されている使用上の注意点や用法、用量をしっかりと守って正しく使用するようにして下さい。
「赤ちゃん用」「無添加」の表記の落とし穴
赤ちゃんに使用する洗剤を選ぶ時に、意識して「赤ちゃん用」と書かれているものや「無添加」と記載されている商品を選ぶママが多いと思います。
もちろん私もその1人ですが、実は洗剤の表記には特にルールがなく、「無添加」の基準もメーカーによって異なる事をご存知でしょうか?
中には、「赤ちゃんにも安心」と書かれている商品であっても、赤ちゃんには避けた方が良い成分が含まれている場合もあります。
神経質になりすぎる必要はありませんが、赤ちゃんの肌を守るためにはママの目線がとても大切です。
「赤ちゃん用」「無添加」と記載されていても、まずは成分を確認してから購入するようにした方が、より安心です。
赤ちゃんと大人の洗濯物を別々に洗濯する理由
新しい衣類を購入した時には、着用する前に水にさらす「水通し」を行います。
衣類を製造している段階で様々な成分を使用しており、洗濯のりや汚れ、皮膚トラブルの原因となるホルムアルデヒドなどが付着している可能性があります。
ホルムアルデヒドはほかの衣類に移りやすいですが、水に溶けやすい性質を持っているため、新品のベビー服と新品の大人用の服は分けて洗濯をする方が良いようです。
明確な基準はありませんが、一般的な洗濯洗剤を使用する場合は、赤ちゃんの服に洗剤の成分が付着しないように、赤ちゃんと大人の衣類は分けて洗濯する事が望ましいです。
また、服の汚れがひどい場合や大人用の柔軟剤を使用する場合にも、赤ちゃんの肌への影響を考慮して洗濯物を別々に洗濯する方が良いでしょう。[
赤ちゃんと大人の洗濯物をいつまで別々に洗濯するのがいい?
いつまで洗濯物を分けて洗うかについては、はっきりとした答えがありません。
生後1ヶ月の新生児期を過ぎたら大人の衣類と一緒に洗うという人もいれば、何でも口に入れる時期が終わる1歳半くらいまでは分けて洗濯するという人もいます。
はっきりとした決まりがあるわけではありませんが、ママが気にならなくなるまでは別々に洗濯した方が良いかもしれません。
我が家の洗濯事情
我が家は子供が二人いますが、上の子の時にはかなり神経を使って洗濯物を分けて、赤ちゃんと自分の衣類は赤ちゃん用の洗濯洗剤と赤ちゃん用の柔軟剤を使用して洗濯していました。
生後6ヶ月を過ぎるまでは完全に別々に洗濯をして、半年を過ぎた頃から少しずつ大人の衣類と一緒に洗うようになりましたが、洗剤は全て赤ちゃん用のものを使用していました。
1歳になる頃には、ほとんど気にせず大人の洗濯物を一緒に洗うようになり、2歳頃から大人用の洗濯洗剤で洗濯をするようになりました。
下の子に関しては、生後4、5ヶ月までは大人の衣類とは別々で洗濯していましたが、生後6ヶ月を過ぎてからは大人の衣類と一緒に洗濯しています。
家族の人数が増えて洗濯の回数が多くなり、どうしても大人の物と完全に分けて洗濯する事が出来なくなり、上の子の時と肌の状態を比べながら、多少大雑把に洗濯することにしました。
私自身がかなりの敏感肌で肌トラブルが多いですが、子供達2人とも特に肌が弱い様子はなく、肌トラブルもなく過ごしています。
最終的な判断は、赤ちゃんの状態とママの気持ちと家事のバランスを考慮して決めても良いと思います。
どうしても赤ちゃんと大人の洗濯物を一緒に洗いたい時の洗濯方法
赤ちゃんと大人で洗濯物を分けて洗う事が出来る時は良いですが、家族構成や時間的な問題などで洗濯物を分ける事が困難な場合もあります。
大人の洗濯物と赤ちゃんの洗濯物を一緒に洗いたい時は、赤ちゃんの洗濯物を洗濯ネットに入れるようにしましょう。
赤ちゃんの衣類はマジックテープや紐などが付いているものが多く、他の衣類と絡み合って生地を傷める可能性があるため、洗濯ネットを使うのがおすすめです。
赤ちゃんの物でも大人の物でも、汚れがひどい物は下洗いやつけ置きをしてから洗濯をするようにしましょう。
洗濯洗剤は、肌が弱い赤ちゃんに合わせて、蛍光剤や香料などを使用していない赤ちゃん用の洗剤を使用すると良いでしょう。
「赤ちゃん用の洗剤では汚れが落ちない」と思っている人もいますが、赤ちゃん用の洗剤でもしっかりとした洗浄力を兼ね備えているものが多いため、まずは試してみてください。
赤ちゃんに肌荒れがでないか注意してあったものを選ぼう
赤ちゃんと大人の洗濯物を分けるか一緒に洗うか悩みますが、赤ちゃんの肌にトラブルが起きなければ、そこまで神経を尖らせる必要はありません。
しかし、初めて使用する洗剤や洗剤を変更した時などは、赤ちゃんの様子をみながら使用していく方が良いとは思います。
また、洗濯洗剤の残留成分が気になる時には、すすぎを十分に行うようにしましょう。
赤ちゃんは肌トラブルがあっても自分では訴えられません。
日頃から赤ちゃんの状態をよく観察しつつ、赤ちゃんに肌荒れなどの皮膚トラブルが起きない洗剤を選ぶようにしましょう。
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