機嫌よく遊んでいた赤ちゃんが、突然顔を真っ赤にしてうなり声をあげたり、すやすや眠っていたのに急に暴れながら唸ったりして、びっくりするママもいるのではないでしょうか?
「う~ん、う~ん・・・」と何だか苦しそうで、見ているママも心配になりますよね。
具合が悪いのかな、病気なのかな、と気になりますが、赤ちゃんが唸るのは病気ではありません。
赤ちゃんは、おなかにガスが溜まっていたり、ゲップがうまく出なかったりする時に唸り声をあげる事が多いです。
そこで、今回は赤ちゃんが唸る原因と対処法を紹介します。
新生児・赤ちゃんが唸る(うなる)とは?唸る時の特徴
赤ちゃんは「うーん、うーん」と唸り声をあげたり、苦しそうに顔を真っ赤にして体に力を入れながら唸ったりと、さまざまな唸り方をします。
なかには、手足をバタバタしながら身をよじったり、唸り声を上げながら泣いて暴れたりする赤ちゃんもいます。
また、月齢が上がるとできることが増えるので段々と激しくなることもあります。
赤ちゃんが唸って心配な時は、いつ、どんな状況で唸っているかを見ているとパターンが見えてきます。
例えば、授乳後や授乳から1時間くらい経ってから唸る事が多いとか、夜中に唸る事が多いとか、気にしてみると、ある程度決まったパターンが自然と見えてきます。
赤ちゃんが暴れたり唸ったりする原因
では、何故赤ちゃんは暴れたり唸ったりするのでしょうか?
いくつかの原因が挙げられるので、1つずつ紹介します。
便秘、ウンチが出ない
赤ちゃんは、おなかにガスが溜まりやすく、消化管も未発達で排泄自体に慣れていないため、いきんでウンチを出そうとします。
腹筋も発達していないため、いきみがうまくいかず、顔を真っ赤にしながら唸る様子がみられます。
便秘気味の時などは、おなかが張るため、おなかの状態も観察すると張っている可能性があります。
ゲップがうまく出ない
赤ちゃんは、授乳時に母乳やミルクと一緒に空気を飲み込みます。
まだ寝返りがうてない時期だと、おなかの中にガスが溜まりやすく、苦しくなって唸る事があります。
だんだんとゲップしやすくなりますが、出ない時も多いです。
授乳後に唸ったり、暴れたりしている時は、ゲップがうまく出せずに苦しがっている可能性があります。
母乳・ミルクの飲みすぎ
授乳後に赤ちゃんが泣くと、飲み足りないのかと思ってミルクを足してしまいがちです。
しかし、おなかが苦しい時に追加で飲ませてしまうと、余計苦しくなって泣いたり、吐いたりしてしまう悪循環に陥りがちです。
腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)の影響
授乳後におなかの中で消化が始まるころ、腸がゴロゴロと動く蠕動運動(ぜんどううんどう)が始まります。
赤ちゃんは、おなかがゴロゴロとする事に慣れていないため、嫌がって唸ったり、暴れたりする事があります。
周期的に唸ったり暴れたりする様子がみられる時は、腸の蠕動運動の影響かもしれません。
これは授乳後、1時間から1時間半くらい経った頃にみられるという特徴があります。
喉の不快感
赤ちゃんは、喉の粘膜もまだ弱く、敏感です。
そのため、喉に違和感や不快感があると唸ることがあります。
部屋の温度や湿度が適切でなかったり、母乳やミルクの間隔が空いていたり、体調を崩していたりするとなりやすいです。
運動したい
手足をバタバタさせて暴れたり、「うー」と唸ったりするのは、同じ場所や姿勢でいる時に運動したいと訴えているかもしれません。
活発な赤ちゃんや夕方や長時間1人になっている時などに多くみられ、おもちゃに飽きたり、集中力がなくなったりしている可能性があります。
この他の原因
これ以外にも、様々な理由で赤ちゃんは唸り声を発します。
お話したい時や暑い時、寒い時などにも、唸ったり暴れたりする事があります。
赤ちゃんが唸るのはいつからいつまで?
赤ちゃんが唸る時期は、次の2つの時期に大別されます。
新生児・生後1~3ヶ月頃
この時期はまだ寝返りができず、お腹にガスが溜まりやすい時期です。
唸る主な原因は、飲みすぎ、ゲップが出ない、ガスが溜まって苦しい、ウンチが出ない、母乳やミルクを消化する時の腸の運動の影響などが挙げられます。
個人差はあるものの、生後6ヶ月頃には自然と治まってくる場合がほとんどです。
赤ちゃんの満腹中枢が機能し始めるのは、生後3~4ヶ月頃です。
飲みすぎの場合は、母乳やミルクを飲む量を赤ちゃん自身が調整できるようになってくると治まってきます。
生後4~6ヶ月頃
この時期になると、寝返りが出来るようになる赤ちゃんが増えてきます。
赤ちゃんが唸るのは、離乳食の消化不良、離乳食開始に伴い母乳やミルク摂取量が低下する事による水分不足、体の冷えや暑さの訴え、お話したい、腹部圧迫、母乳の味が低下している事などが主な原因です。
消化管や体の各機能の発達に伴い、1歳頃までには落ち着いてくる場合がほとんどです。
寝返りから元の体勢に戻れず、おなかが圧迫されて唸ったり、暴れたりしている場合があります。
うつぶせの状態は乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険性が高くなりますので、寝返りをするようになったらこまめに様子を見るようにしましょう。
元の体勢に戻れなくなっていたら、ママが直してください。
赤ちゃんは夜中に唸りやすい?
唸りは日中でもみられますが、夜中に唸る赤ちゃんもたくさんいます。
夜中の方が唸りやすいかというと、個人差があり断定はできませんが、夜中の方が印象に残りやすいというのはあるかもしれません。
日中は、機嫌よく遊んでいることやお散歩に行くことなどいろんな時間があります。夜中は寝ているか授乳しているかうねっているかと赤ちゃんの動作のパターンが少ないので印象に残りやすいと言えます。赤ちゃんの体調が下降気味だったり、眠りが浅かったりすると、唸りが発生しやすくなります。
また、授乳後そのまま寝てしまうこともあるためゲップが出にくい、おなかが張る、部屋が暑い、寒いなどの理由でも唸り声を上げる事が日中より多くなると考えられます。
我が家の長男もよく夜中に唸っていました。
すやすや寝ていたはずなのに、突然「んー!!」と唸り声を上げながら泣いて暴れるのですが、添い寝をして胸のあたりをトントンと軽く叩くと、落ち着いて眠ります。
そしてしばらく経つとまた唸り、トントンをしたら寝るの繰り返しでした。
あまりに続くので、病気ではないかと心配した時期もありましたが、いつの間にか治まっていました。
赤ちゃんにはよくある事だと知って、とても安心した記憶があります。
夜中に唸り声を上げたり、泣いて暴れたりする事が続くと、赤ちゃんが寝不足になって良くないのではと心配した事もありました。
でも、赤ちゃんは浅い眠りのレム睡眠の時間が長く、唸りが原因で成長の害になる事はほとんどないそうです。
「赤ちゃんは、唸りながら成長する」という人もいるほど、唸るのは赤ちゃんにとっては、よくある事です。
赤ちゃんの唸りの対処法
赤ちゃんが唸った時の対応を原因別に紹介します。
便秘、ウンチが出ない
便通を良くするためには、水分摂取と腸の動きが大切です。
母乳やミルク以外に白湯やお茶などを飲ませたり、おなかをマッサージしたりすると効果的です。
おなかをマッサージする時はベビーオイルを塗って、8の字を描くようにするのが基本です。
ベビーオイルがなくても大丈夫ですし、お風呂に入っている時に体を洗う泡を利用することもできます。
2,3日ウンチが出ていなくて、おなかが張って苦しそうな様子がみられる時は、綿棒をおしりに入れて刺激してあげると便秘が解消される事があります。綿棒浣腸の注意点は綿棒を深く入れすぎないようにすることです。
ゲップが出ない
授乳後、肩に担ぐようにして背中をトントンと叩いたり、背中の下から上にさすり上げたりするとゲップが出やすくなります。
ゲップが出にくい子は、赤ちゃんをママの太ももに座らせるようにして軌道を確保するような体制にして片手で支え、もう片方の手で背中をさすったり、トントンと叩いたりするとゲップが出る場合があります。
我が家の次男はゲップが出にくい子で、肩に乗せてもダメで、足に座らせるようにしてゲップを出しています。
私の場合はこちらの方がゲップが出やすかったですし、簡単でよかったです。
どうしてもゲップが出ない時は、時間を置いて挑戦したり、しばらく縦抱きのまま抱っこしたりすると出る事もあります。
また、赤ちゃんの両足を持って、ウエストを軽くひねるようにすると出ることもあります。
いろいろな方法があるので、試して赤ちゃんに合った方法が見つかるはずです。
短時間のうちに何度も授乳すると空気を飲み込む事が多くなるため、ゲップが出ずに唸りやすくなります。
可能であれば、ある程度まとまった量が飲めるように授乳間隔を空けてみるといいかもしれません。
授乳中に寝てしまって、「ゲップが出ていないけど寝かせたい!」と思うことありますよね。
ママがどうしても両手を空けたい時は、寝かせる時に赤ちゃんの頭をやや高めにして顔を横向きで寝かせるか、背中にクッションなどを置いてやや横向きで寝かせます。
ゲップが出ずに寝かせると、母乳やミルクが逆流して嘔吐する事があります。顔を上に向けたまま寝ていると嘔吐物が喉に詰まる可能性がありますので、ゲップが出ない時は顔を横向きにして嘔吐したとしても口の外に出るようにして寝かせます。
喉の不快感
赤ちゃんの喉は敏感です。不快感があって唸る時には、頭を高くして寝かせたり、縦抱きにしたりすると不快感が軽減されます。
また、授乳したり、ミルクや白湯などを飲ませたりすると、喉がさっぱりして唸らなくなる場合もあります。
赤ちゃんが過ごす部屋は、温度や湿度に気を付けて熱すぎたり、寒すぎたり、乾燥したりさせないようにします。湿度は50~60%が目安になります。
運動したい
運動をしたくて唸ったり、暴れたりしている時は、手足をママが動かしたり、抱っこ紐やベビーカーなどで散歩をしたりするだけで、赤ちゃんにとっては運動になります。
ベビージムやメリーなどを活用して手足を動かす機会を作ること、首がすわっている赤ちゃんであればうつ伏せにして遊ぶことでも大丈夫です。
ただし、うつ伏せ状態は短時間にして、必ず見をはなさずに一緒に遊びましょう
お話したい
構って欲しくて、唸ったり暴れたりする赤ちゃんもいます。
赤ちゃんが一生懸命お話していたら、返事をしたり、話したりするようにしましょう。
赤ちゃんの脳に関する研究結果で、周りの大人が赤ちゃんに構う事がとても大切だと示されていました。
赤ちゃんの脳は、親が欲求を満たすことで、どんどん発達していきます。
少なくとも3人以上の大人が常に赤ちゃんのお世話に関わると、赤ちゃんは最も成長するそうです。
赤ちゃんからのメッセージを受け取り、成長を見守ろう
子育てに不慣れだったり、余裕がなかったりすると、赤ちゃんが泣いたり唸ったりするとすぐにオムツかミルクだと決めつけてしまいがちです。
私も新米ママの頃は、子どもが泣いたらオムツかミルクか抱っこ、唸っていれば不満の訴えなのかと思って、不安になったり悩んだりしました。
解決できない事があると、すぐに病気を疑って受診を考えたことも1度や2度ではありません。
でも少し気持ちに余裕ができると、赤ちゃんが訴えているのは空腹やオムツ交換の要求だけではないと分かりました。
抱っこして、遊んで、寒いよ、暑いよ、こっち見てよ、といろいろな事を赤ちゃんは訴えかけています。
言葉が話せない分、唸ったり、泣いたり、暴れたり、様々な手段で知らせてくれます。
赤ちゃんを不快にしている原因を取り除くと、また可愛い笑顔を見せてくれます。
子育ては親育て。
赤ちゃんと接する日々のなかで、赤ちゃんの様子をみて、訴えに応えられるように。
いつもと違う様子がみられた時には、すぐに気付けるように。
赤ちゃんの成長を見守りながら、ママとしても成長していけるといいなと思います。
赤ちゃんから学びながら、一緒にがんばっていきましょう。
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