わんずまざー保育園の認可取消のニュースで認可取消なんてことあるんだと思いました。これまで、結構ひどい保育園のことを知っていますが、それでも認可や認証・認定が取消になった話は聞いたことありませんでした。
よくよく調べてみると監査に行くよと伝えて実際に監査に行った数週間後にもう1度抜き打ち監査に行って発覚したようです。
わんずまざー保育園の概要
わんずまざー保育園は定員50人。
「人との関わりの中で思いやりの心を育て、自主・自立・協調性を養います。様々な体験を通し豊かな感性を育み、創造性や思考力を培います。」と書かれています。
http://www.city.himeji.lg.jp/var/rev0/0095/6621/2016628144421.pdf
わんずまざー保育園は小幡育子氏が個人で運営する保育園です。(最後の8ページ目の一番最初)
http://www.city.himeji.lg.jp/var/rev0/0085/6102/201653118128.pdf
わんずまざー保育園独自のホームページはありません。上記資料のURLとE-MAIL欄が空白になっています。
わんずまざー保育園が行っていた不正や虐待と思える行為
- 22人は保育園が直接契約していた。(認可保育園は区を通して選考があり申込契約する)
- 定員50人のところに直接契約22人を含む68人の子どもを預かっていた。
- 保育士10人しかいないのに13人と水増し報告して補助金を多く受け取っていた。
- 保育士と不当な雇用契約を結び、ボランティア勤務や減給を行った。
- 給食のおかずはスプーン1杯程度で、明らかに少ない量で提供していた。
- 冷凍した給食を1ヶ月後に出すことがあった。
- 真冬でも暖房器具を登降園時以外使用していなかった。
これらを隠すために書類偽装もしています。
定員のほぼ1.5倍の68人の子どもを預かっていた
保育園の定員は、施設の面積により最大人数が決まります。0・1歳に必要な面積は3.3㎡、2歳になると1.98㎡と減っていきます。定員50人くらいの保育園なら面積から取れる最大値にしているはずです。
そのため、22人は面積基準に違反して超過した状態といえます。
補足として最近の待機児童問題で定員を超える園児を預かる保育園もありますが、面積の基準を超えないことが条件です。例えば、面積100㎡の部屋で0・1歳なら33人まで定員が設定できます。定員は33人以下ならいいので、元から30人として3人余力があれば定員より3人多くあずかれます。他にも4・5歳のクラスが定員より少ない場合に余った面積分の1歳を入れることも可能です。それでも、クラスごとに部屋が分かれていると難しいです。
定員を超える22人は保育園が直接契約
保護者は気づいていたはずです。おかしいと。
理由は、役所を通して申込むべきなのに保育園から直接契約の話があるなんて契約する前から気づいています。さらに、監査の日に22人は休ませているし、契約する時に不当な契約を結んでいないとできないでしょう。
ただ、保護者からは保育園に直接契約があることはわからないので、保育園から持ち掛けられて保護者も困っていたので仕方なく契約したと考えらます。
保護者も保育園がこんなひどい保育をしているとは夢にも思わないでしょうから。
保育士10人しかいないのに13人と水増し報告していた
保育士の水増し報告はかなりの保育園がやっている行為です。森友学園も籠池氏の妻がある園の園長と他の園の副園長を兼任して不正に補助金を受け取っていました。
わんずまざー保育園では、既に辞めた保育士を名簿に載せて報告していたようです。
保育士の報告をする時には履歴書と保育士証の写しが必要になります。これらを手に入れるために過去に働いた保育士や求人で応募してきて面談した保育士の物を提出したと考えられます。
この場合は他の保育園で働いていたら発覚する可能性があります。実際に水増し報告しているところは他県で働いている保育士を報告しています。書類は市が調査するので他県だと調査対象にならないので発覚する確率が減ります。
わんずまざー保育園の場合は無給勤務があるくらいだから保育士も休みなく働かされていたことでしょう。普通なら10人いても休む人がいたり、時間差で勤務したりするのでかなり時間ごとで見ると8人くらいの時もあるはずです。
また、定員50人を前提とした保育士10人ですので、定員の1.5倍の68人いた実態からすると保育士も1.5倍の15人、後5人は必要と考えられます。
保育士の必要人数は0歳3人に付き保育士1人、1・2歳6人に付き1人、3歳は20人に付き1人となります。
このことからも園児1人当たりの必要保育士数を満たしていなかったと言えます。
保育士との正規の契約書以外に裏契約書が存在していた
裏契約書を見るとボランティアという文言が沢山あるのが分かります。明らかに労働基準法違反です。裏契約書を見て保育士もおかしいと気づいたはずですがやめられなかったのでしょうか。私なら働いたとしてもすぐに身体を壊しそうです。
みんながショックを受けたスプーン1杯のおかずが乗った給食
誰が見ても2歳の子どもの給食として足りる量ではありません。40人分を68人で分けていてさらに冷凍保存するのですから、単純に考えても普通の2分の1の量しかありません。
子どももお腹が空くはずです。そうとう子どもは抑えつけられた保育をされていたと思われます。
保護者が迎えに行っても教室から声が漏れるほどの大声でしかりつけていると書かれています。保育士だけでなく子どもたちも普段から恐怖の保育をされていたと疑わざるを得ません。
また、冬でも暖房は保護者がくる登降園時以外使用していなかったとの話も出ています。これから他にも出てきそうです。
先ほどの保育士不足から子どもたちをちゃんと見る保育はまず不可能です。保育園ではトイレの支援や活動の準備、連絡帳の記入など子どもたちと触れ合う以外の仕事も沢山あります。保育士不足の場合はまずこの子どもたちと直接遊ぶような保育以外で手一杯です。
想像しただけで、連絡帳書きながら子どもたちを勝手に遊ばせておく、トイレでオムツ変えながら声だけ出す、保育園内はそういった感じの保育しかできないでしょう。
わんずまざー保育園の保育士が証言した実態が泣きたくなる
「子どもに愛される保育士を夢見ていた。今は後悔しかありません」。同園に勤務して数年目の保育士は振り返った。
- バナナ5本を20人で分けた。
- 学童やベビーシッターを無給で強要された。
- 常に保育士不足だった。
- トイレの世話としている間に子どもが鍵を開けて道路に飛び出した。
よくここで我慢して働けたと思います。この10人の保育士がいなかったら完全に回らなかったしもっとひどい惨劇になってから気づくことになっていたかと思うと、今の段階で発覚したことは救いです。
神戸新聞の記事でも体を壊して辞めた話があります。子どもたちのことを考えると辞められなかったが、限界を超えてしまったという悔しい顔が思い浮かびます。
わんずまざー保育園の実態が発覚経緯
2003年11月 認可外として開園
2015年4月 認定こども園として承認
2016年1月 直接契約をしていると情報提供
2017年2月 不正発覚
わんずまざー保育園は2003年11月に認可外保育園として開園します。2015年4月に認定こども園として承認されます。
2016年1月に保育園が保護者と直接契約していると情報提供があり市が園側に確認し書類を確認したが不正は発見できなかった。今年の1月にも監査を実施。しかし、この時は園長が直接契約者22人を休ませて書類を改ざんして実態を隠していた。そこで、2月23日に抜き打ちで特別監査を実施し発覚する。
園長 小幡育子園長の発言
「困っている保護者の要望に応えるためだった。子どもを預けるところがなくて困っている保護者を助けようと思った」
困っている保護者を見ると確かにそう思うこともありますが、実際に預かるとなると今いる子どもたちへの保育がちゃんとできなくなるということは考えなかったのでしょうか?
不正受給や劣悪な保育をしている理由にはなりませんよね。
「普段余るので、発注を減らしていた。」
昔はこの3,4倍の量だったと言っていますが、この状況で言われても信じられないですね。
わんずまざー保育園の今後
姫路市は今後、正規の契約の46人は転園できるように準備しています。とにかくわんずまざー保育園から離れられることができそうでよかったです。
これだけのことをされたので、この保育園にはもう子どもを預けたくないでしょう。
他の22人は市の申し込みで落ちたからしかたなくわんずまざー保育園と直接契約していたと思われるので、自力で他を探すしかないかもしれません。
また、不正受給した補助金は返還を求める方針のようです。税金ですから当然です。
わんずまざー保育園自体は、認可外として存続可能と姫路市は言っています。ただ、これだけのことがあったのですから経営的には難しいと思います。
わんずまざー保育園に通っていた保護者のネットでの反応
わんずまざーの先生を悪く言わないで下さい。先生が告発して監査が入ってます(´;ω;`)先生も、必死だったと思います。今思えば、早くに発覚していたらそれこそ行き場が無かったかもしれません。入れる、保育園が今だからあったのかもしれません。園長を悪く言うのは自由です。
— ゆみち (@torakichi24) 2017年3月20日
わんずまざー保育園に通ってる二人の発育表を貼ります。しかし、ニュースに出たように体重が増えて無いとかはありませんし発育の平均値を確認しましたが、さほど問題は無いようには思いました。ただ、上の子に関しては明らかに体重は減ってます((((;゚Д゚)))))))下はそれ程でした。 pic.twitter.com/YX5wJL1Nj6
— ゆみち (@torakichi24) 2017年3月19日
あー見れば見る程悲しくなる。ねこまんまみたいなご飯食べさせられとったもんな。給食費1万も払っとったのに。ほんまにありえないー。
— あーちゃん (@thanx12345) 2017年3月20日
わんずまざー保育園のニュース見て、言葉が出ない。娘を行かせてたけども。姫路市の申し込みは何ヶ月も連続で落ちて、仕事するために探しまくって、やっと受け入れてもらえたのがこの園だったけど。その当時から色々と思って、その都度園長や保育士に聞いてたけど、上手に誤魔化されてたな。
— あーちゃん (@thanx12345) 2017年3月19日
わんずまざー保育園の事件いつからやってたんやろ
通ってた頃もやってたんかな
当時の連絡ノートとか見とったら不信感しかない
先生良い方やったと思ってたのに‥— かしまゆ (@kashimayu714) 2017年3月20日
https://t.co/XFhtSaKAB7
若い先生達の表情がいつも暗かった。#わんずまざー保育園— 解毒ママボン (@sahoopy) 2017年3月19日
https://t.co/Dx65bdhEaF
わんずまざー保育園、非認可の頃に1歳直前から半年間子どもを預けていました。入園前に口頭で入園の意思を伝えただけで、正式に契約してないのに園長に1ヶ月分の保育料を請求され、抗議しました。— 解毒ママボン (@sahoopy) 2017年3月19日
姫路市 わんずまざー保育園に子供を通わせているけど、給食のしゃしんを見ると涙が出て来た。
— 茶碗蒸し.com (@tyawanmushi1717) 2017年3月19日
(追加)21日夜に保護者説明会開催
小幡育子園長は保護者の質問や発言に「すいません。」と繰り返すのみで、15分ほどで市の職員が堆積させた。
納得のいく説明はなかったようです。
(追加)どのくらい儲けが出ていたのか計算してみた
ブラック保育園は人件費を削ることで利益を出しているという話をしました。
では、今回のわんずまざー保育園の場合はどのくらい利益を出していたのでしょうか?
22人の直接契約の保育料と食費、保育士の水増し請求と合わせて、ざっくりと見ても80万円以上は利益が出ていたようです。
認定こども園の補助金を年間で5,000万円ほど受け取っていたようですが、他にも22人の直接契約の保護者からは保育料を2~4万円受け取っていました。
追加の売上
- 直接契約22の保育料 約3万円/人=66万円
- 直接契約22の食費 約5万円/人=11万円
- 保育士3人架空請求 9万円/施設=9万円
- 合計86万円
追加の経費はほぼなかった。
- 直接契約22人分の食費は使っていなかった。
- 直接契約22人分の保育士は雇用していなかった。
必要経費をかけていなかった。
- 暖房を使用していなかった。(きっと冷房も)
- 市に保育士13人と報告していたことから定員40人を見る保育士すら基準を満たしていなかった可能性がある。
- 違法な労働契約による保育士給与の搾取。
合計すると100万円以上の利益を毎月出していたと推測できる。
※保育士水増し請求は姫路市保育体制強化事業で計算
さらに、無届で学童保育、ベビーシッター業も行っていた。
(追加)裏契約書の内容が悪質すぎる
信じられない内容ばかりです。項目にしてみました。
実際に給与から4万3,000円引かれたケースがあったようです。
- 無断欠勤・・・7日間の常勤時間帯のボランティア勤務、さらに変わりは自分で探す
- 当日休・・・3日間の常勤時間帯のボランティア勤務、さらに変わりは自分で探す
- 30分以内の遅刻・・・当日ボランティア勤務、早出の場合は6日間のボランティア勤務
- 30分以上の遅刻・・・当日+2日間ボランティア勤務、早出の場合は6日間のボランティア勤務
- 30分以内の早退・・・当日ボランティア勤務
- 30分以上の早退・・・当日+2日間ボランティア勤務
- 昇給・・・年1回、0円~5,000円
- 退職・・・3ヶ月前に申出
- 給料日・・・翌月5日払(土日祝は翌日)
- 保護者を待たせた場合・・・10日間のボランティア勤務
- 月休みが7日以内の場合・及び勤務時間が少ない場合・・・1時間776円
- 休日出勤・・・1日6,250円
(追加)わんずまざー保育園閉園
認定こども園の取消しにより運営が難しいという話をしましたが、閉園する考えのようです。
こうしたブラック保育園がなくなることはいいことです。本当に発見から消滅まで早かったので驚きです。
ただ、こういうブラック保育園の本当の被害者である子どもたちと保育士たちが次の場所をきちんと見つけられるように行政には頑張って欲しいです。
(追加)怠慢チャック体制!姫路市こども園の監査を2年間未実施
わんずまざー保育園で話題となった姫路市の地方裁量型認定こども園。地方裁量型認定こども園は名前の通り市の裁量で認定を決め、監査するため市の考えが反映されやすい制度です。
市はこの地方裁量型認定こども園を年に1回かならず訪れていくつもの項目をチェックする監査を行う義務がある。
しかし、姫路市はわんずまざー保育園以外の地方裁量型認定こども園を2年間監査していなかったのです。
わんずまざー保育園自体も約2年前に認定を出してから、違反の告発を受けてからも責任者の小幡氏を呼び出し聞き取りをしただけで実際に保育園に出向き監査していなかった。
わんずまざー保育園の呆れた保育は、ずさんなチェック体制により野放しにされていたようです。
ちゃんと監査している保育園でもその日だけ誤魔化すことで切り抜けられる監査をしていないとはますます保育園に対すして普段から通園する保護者や働く保育士が気を付ける必要があると感じます。
(2017/3/27)40人または46人から50人に修正
今後も新情報を追加予定です。
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